大嫌いだと、彼女は言った
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れはグレイやルーも言っていた事だった、と思い出す。
だが、2人の仲が悪い姿など想像もつかないルーシィは、ふと浮かんだ疑問をぶつけてみた。
「因みに、当時の2人の仲の悪さってどのくらい?」
「そうね……私とナツくらいかしら」
「……アンタ達、あれで仲悪いの?」
「昔よりはマシだけどね。私はアイツと仲がいいとは思ってないし、せいぜい“親しい他人”ってトコじゃない?」
人はそれを友達と呼ぶ。そう思ったが、口には出さなかった。
「まーたやっちまった…いや別にさ?怒ってねえよ?ただド真ん中でモメたら人通れねえじゃん?だから声かけたけどさ、何をどうすりゃあんな言い方になっちまうかな……ティア助けて、マジで助けて」
「ウザい。アンタ、それ今月入って何回目だと思ってる訳?昨日も聞いたわ、それ。学習能力低すぎるんじゃないの」
「そうだよ、それがオレだよ……バカで結構」
「自覚があるだけマシとは言ったけど、開き直れとは言ってないでしょうが。てか何で真っ先に私のトコに来るのよ」
「だって頼れんのお前くらいだし」
はあ、と隠す気のない呆れを大きな溜め息として吐き出す。ちらりと目を向けた先、向かい側に座る赤髪は、先ほどまでの笑みを完全に引っ込めて肩を落としていた。整った顔に後悔の念を色濃く滲ませて、机に突っ伏し組んだ腕に顔を埋める。
ギルド地下の資料部屋。背の高い本棚に圧迫されそうなこの空間が、2人の集う場所だった。ギルドの外でも構わないのだが、何せいろんな意味で目立つ2人である。人に囲まれ時に話すらままならなくなる為、メンバーでさえあまり入って来ないこの部屋が最適なのだった。
机に乗せたランプを端に寄せて、再度溜め息。
「だから、前から言ってるでしょ。とっとと告白してフラれてきなさいって」
「フラれんの前提かよ!?」
「そんな都合よく結ばれるなんて事がほいほい起こる訳じゃない事くらい、アンタにだって解るでしょう。だったらフラれる事前提に考えた方が後々楽よ」
こうやって恋愛相談に乗るのは、一体何度目だろう。出会った当初に魔法の基礎を叩き込んでからというもの、彼と彼の同居人は何かあるとティアを頼るようになった。面倒だと思いつつも返事をして、その返事が無駄に的確だったのがマズかったらしい。適当な事を言って流しておくんだった、と思い始めた頃には遅すぎて。
だから持ち掛けられた相談には一応対応していたし、2人とも自分で解決出来る事にティアを巻き込みはしなかったから、まあこれならいいかと現状に納得していた頃にこれだ。つい数か月前からアルカを悩ませている一件は、あまりにもティアに不向き過ぎた。
「それに、何度も言うけど恋愛相談とか専門外なんだけど」
「解ってるって。解ってるけどさあ……」
「ルーでも頼
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