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SAO−銀ノ月−
第二十六話
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んまり覚えていないのだけれど……

「別に手の込んだことはしてない。転移結晶で《アルゲート》まで跳んだあと、リズをおぶってここまで運んでだけだ」

「ちょっ……ええっ!?」

 ショウキは何でも無いことのようにサラリと、とても重要なことを言った。
つまり、あたしがずっと感じていたあの心地よい温もりは、ショウキだった……!

「いやあ、最初は知り合いの店に行こうとしたんだが、流石に辛くてな……裏通りのこの宿屋に来たんだ」

「な、なるほど……じゃなくて!」

 一瞬納得しそうになったけど、なんだかおかしい。

「その……他になんか運べる方法無かったの!?」

 ショウキは手を顎の方に持っていき……俗に言う考える時のポーズだ……あたしを運ぶ方法を、指折り数え始めた。

「おんぶ以外となると……荷物運び、抱っこ、お姫様抱っこ……他に何かあるか?」

「……おんぶでありがとう」

 ……他に方法が無かったとはいえ、やっぱり想像すると恥ずかしい。
……知り合いに見られてなければ良いけど……

「ああ、そういや」

 ショウキが思い出したような声をだし、メニューを操作し始めた。
そうしてショウキのアイテムストレージから出て来たのは、銀色に光り輝くダイアモンド――!

「あのゴーレムから出て来たインゴットなんだが、専門家からすると……」

「見せて!」

 ショウキの言葉が終わるや否や、ショウキの手からインゴットを貰う。
傍目から見ても、上質そうに光り輝くダイアモンドは、手に持ってみるとその輝きが増した……鍛冶屋としては、テンションが上がらずにはいられない。

「固有名は、そのまんま《ダイアモンド・インゴット》……凄いわ! これならあんたのカタナ、強化出来ると思う!」

 あたしの《観察》スキルで見たところ、うん、充分どころか期待以上なインゴットだったので、コレならばあの日本刀《銀ノ月》を強化出来るだろう。

 ふと部屋に備え付けてあった時計を見ると、現在時刻は午後九時。
まだまだ時間はあるので、今日中に強化したいという気持ちが抑えられずにウズウズして来た。

「早速、あたしの店に戻って強化しましょ!」

「いや、それがその……出られないんだ」

 そうと決まれば、とばかりに立ち上がるあたしに対し、ショウキはまたも、ばつの悪そうに頭を掻いた。
そして言ったのは……出られない?

「いや、さっきも言った通りにここは受付とかが無人なんだが、そのせいで少し融通が効かないんだ。……例えば、最初に頼んだ時間まで出られないとか」

 ショウキが懇切丁寧に、この宿屋の事情とシステムを教えてくれる。
……何であんた、こんな怪しい宿屋を使いこなしてるのよ。

「規定時間は明日の6
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