マブラヴ
1234話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
山での訓練くらいはやった経験があってもいい筈なんだが。
その辺どうなっているのか、少し気になるな。
いや、それともやっぱり皇女だったから雪山訓練とかは免除されていたのか?
「コーネリア、スキー以外にスノーボードというのもあるのよ? そっちには興味ない?」
円の言葉に、コーネリアは少し考えて小さく首を横に振る。
「スノーボードというのも興味深いが、やはり初めてのウィンタースポーツだ。私はスキーの方に挑戦してみるよ」
「そう? でもやりたくなったらいつでも言ってね。教えるから」
そんな風に会話をしながら宿の中を進んでいくと、やがて俺達に割り当てられた大部屋へと到着する。
日本の宿だけあって、畳が敷かれていた。
部屋の真ん中にはテーブルが用意されており……って、ただのテーブルじゃなくてコタツだ。
いや、確かに日本らしいと言えば日本らしいんだが……さすがにちょっと驚いた。
コタツの上にはミカンやお茶菓子といった物が置かれている。
他にも部屋の隅には薪ストーブが置かれており、その薪ストーブから少し離れた場所には薪が入った段ボールが存在していた。
何と言うか、典型的な田舎の宿って感じだな。
実際に田舎の宿なんだからしょうがないし。
それでも、まさか薪ストーブが出てくるとは思わなかった。
薪なんて、士官学校の野営訓練で焚き火とかをしたくらいしか使った事がないぞ。
「誰かこの中で薪ストーブを使った事がある奴はいるか?」
そう告げ、視線を巡らすが、その中で手を上げたのは……
「あら、私だけ?」
不思議そうに首を傾げたのは千鶴。
「いや、何で千鶴が使った事があるのかが逆に不思議なんだけど」
美砂の言葉に、その場にいた全員が同意するように頷く。
だが、千鶴はいつものように柔らかな笑みを浮かべるだけだ。
「いい女には色々と秘密があるのよ……と言いたいところだけど、そんなに大袈裟な話じゃないのよ? 私が高校の時に何度か行った事のある孤児院が薪ストーブを使ってたの。その時に使い方を教えて貰ったのよ。……まさか、こんな所でそれが役に立つとは思わなかったけど」
ウフフフ、と笑みを浮かべる千鶴。
焚き火ならサバイバル訓練とかで習ってもおかしくないが、薪ストーブともなれば……
「まぁ、そんなに心配はいらないわよ。薪ストーブで一番大変なのは、最初に火を点ける時だもの。けど、今はもうお部屋が暖かいでしょう? だから、後は火が消えないようにすれば大丈夫。薪は……ちょっと待ってね」
部屋から出て行った千鶴が、1分もしないうちに戻ってくる。
その手に握られているのは、数本の薪。
「廊下にある扉が薪小屋に続いているみたいだから、寒い思いをして外に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ