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ガンダムビルドファイターズトライ 〜高みを目指す流星群〜
03 「高みを目指す者」
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のふたりのものらしい。

「ちょっとあんた達、何をやってんのよ。バトルに介入するなんて卑怯じゃない!」
「卑怯? それは人聞きの悪い」
「そうですよ。部長はあなた方にこう言ったはずです。もしも彼が勝ったら勧誘はやめる。ただし《こちら》が勝った場合はうちに入部してもらう、とね」

 確かにそのとおりだ。
 なんて納得できるわけがない。あちらの言い分はふざけている。無意識の内に強く歯を噛み締めてしまうほどに。

「馬鹿言ってんじゃないわよ、あんたらにプライドってもんはないの!」
「戦いというものは時として非情なものなのです」
「あなたもファイターならば理解できるでしょう」
「ふざけんな!」

 あんたらの言うような非情さなんてあたしは理解できない。大体あんた達のやっていることは非情とかじゃなくて単なる反則じゃない。こんな不公平な勝負の勝敗でナグモも今後が左右されるなんて馬鹿げてる。
 そう思ったあたしは自分のケースに手を掛ける。あちらが先に介入したのだからこちらが介入しても文句は言えないはずだ。

「コウガミさん、何をするつもりですか?」
「は? 何って見れば分かるでしょ。というか、何であんたはそんなにぼぅーとしてるわけ。あれを見て何も思わないの?」
「いえ、あなたと同じように姑息だとか卑怯だとは思います。ですが……だからといって彼が負けるとも思えません」
「確かにナグモの腕やガンプラの性能が高いのは分かる。でも3体なのよ、いくら何でも厳しいわ。それはあんただって分かるでしょ。何でそんなに落ち着いてられんのよ!」
「それは……彼が現ヨーロッパチャンピオンの最大の好敵手だからです」

 突拍子もない言葉にあたしの思考は鈍る。だがそれも仕方がないはずだ。唐突にヨーロッパチャンピオンなんて言葉が出てくれば誰だって様々な感情が芽生えるだろうから。

「コウガミ、心配してくれるのはありがたいがそこで見ててくれ。これくらいの逆境を打ち破れないようじゃ全国大会優勝なんて出来やしない」
「全国優勝だと? 笑わせるな」
「そうです。うちのような学校がそんなこと出来るはずがないでしょう」
「君は夢を見過ぎですね」

 百式ナイトカスタムは大剣を担ぐようにして構え、サザビー達は百式ナイトカスタムを守れる位置に移動しながらビームを次々と放つ。それをフルクロスは後退しながら全弾回避。Iフィールドで防ぐことも出来ただろうが、そうしなかったのは彼なりにリスクを考えた結果だろう。

「出来るはずがないだの、夢の見過ぎだの……そんな考えだからお前達はその程度のガンプラしか作れないんだ」
「ほざくな! お前達、奴は僕が切り捨てる。援護しろ!」
「分かりました。おい行くぞ!」

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