第四十三話 本郷少佐!名前から決まった探偵勝負!!その十四
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「もう無茶苦茶ちじゃねえか」
「最強過ぎるだろ」
「その仏罰だ、これを浴びると殆どの者が性根が治るが」
殆ど、である。ここ重要。
「御主達は違うな」
「へっ、例え弘法大師さんでも伝教大師でもだよ」
「俺達を止められるかよ!」
最澄上人でも無理だというのだ、空海上人と並び称されるこの高僧でみ。
「仏罰が何だ!」
「俺達は正義だ!」
「酒だ女だ金だ!」
「酒池肉林だぜ!」
「そうだな、御主達は屑だ」
空海上人のお墨付きがきた。
「これ以上はないまでのな」
「おうよ、屑で悪いか」
「俺達はあくまで煩悩を突き進んでやるぜ」
「その為には手段も選ばないからな」
「酒池肉林を極めてやるぜ」
「そうか、ではだ」
空海上人はここまで聞いてだ、あらためてだった。
手の指をボキッ、と鳴らしてからだ。こう言った。
「言いたいことはそれだけか」
「げっ、声は神谷明さん」
「しかも顔も原哲夫さん風になってるぞ」
つまり最高に格好いい。
「ってことはだ」
「俺達これから処刑タイムを受けるのか」
「真言宗に伝わる伝説の武術」
上人の両手がそれぞれ円を描く、まさに北斗神拳伝承者の動きだった。
「中空仏拳見せてやろう」
「何か凄い名前だな」
「南北東西の中央にある」
「つまり最高の拳か」
「それで仏教だから仏拳」
「そうなるんだな」
「そうだ、私が編み出し真言宗に伝わっている伝説の拳法だ」
この作品オリジナルの設定だ、間違っても高野山に実在を聞かない様に。
「この拳を受けて倒れなかった者はいない」
「へっ、そんなの受けても俺達は死ぬかよ!」
「俺達は不死身なんだよ」
「主人公は絶対に死なねえ」
「ましてやギャグ作品だからな」
「倒せるものなら倒してみやがれ!」
こう威勢よく言う二人だった、だが。
二人はふとだ、こうも言った。
「けれどな」
「まだいつもの勝ち名乗りしてなかったな、今回は」
「それやるか」
「今からな」
「それを言いたいことにしておこう」
上人は二人に既に無想転生の構えを見せていた、中空仏拳においても極めた者がようやく使える伝説の奥義だ。
「それまで待とう」
「だから俺達が死ぬか!」
「どんな拳を受けてもな!」
「しかしこれだけは言うぜ!」
「勝った時のお約束だからな」
こう話してだ、そしてだった。
二人は京都のど真ん中からだ、白波立つ海の中にある岩場の上にそれぞれ腕を組んで仁王立ちしてだった。この言葉を叫んだ。
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