第1章:平穏にさよなら
閑話3「可能性」
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それに鮮やかに青く長い髪に水色の瞳の美しい女性が声を掛ける。
「おー、そうじゃな。あやつらの報告を聞いてからは度々見ておるの。」
「まぁ、かくいう私も気になりますね。」
「そうじゃろう?まさか、あやつが転生しておったとはな...。」
そう言いつつ、二人は楕円形のレンズのようなもの――これが下界の様子を映しているのだろう――を眺める。
「しかし、ものの見事に集まりましたね。」
「そうじゃのう。儂が転生させた娘もそうじゃが、ものの見事にあやつに引き寄せられておるわ。」
映し出されるのは、優輝の姿だった。
「彼には導く才能がありますね。」
「前々世が前々世じゃからのう。それ以外にも理由はあるが。」
次に、織崎神夜が映し出される。
「...こやつの所為で色々と狂っとるのう...。」
「はい。私が転生させた娘も、魅了に....。」
「全ては、あやつの所為か....!」
何かを思い出すように目を見開く老人。
「あやつがこやつに厄介な能力を持たせおったから....!」
「そうですね...。...彼女らも、魅了を受けていたのは情けなかったですが。」
「あやつらなら今知り合いに扱かれておるよ。」
ふと、目を向ければ....。
「ひゃぁああああああ!!?」
「ちょちょちょ、待っておくれよ!」
「待ちません!いくら“あの存在”の影響を受けた者の魅了とは言え、その程度に引っかかる神がいますか!?鍛え直します!」
シンプルだが煌びやかに見える洋服を着た少女と女性が、巫女装束を来た亜麻色の髪の女性に追いかけられている。...どうやら修行らしい。
「....容赦ありませんね。」
「まぁ、神でありながら人間の魅了にかかるなんて体たらく、あやつは容赦しないからのう...。あの姉妹には効果的じゃろうて。」
「そうですね。」
同情しているように見える彼女も、その体たらくから少しばかり情けなさと怒りを持っている。今、この場にあの姉妹を助けようとする者はいないだろう。
「しかし、彼女が密かに転生させていた...祈巫聖司と言いましたか?」
「今は聖奈司じゃの。....少し歪んでしまっておるな。」
レンズに今度は司が映し出される。
「まぁ、こやつに任せれば大丈夫だろう。」
「前世でも親友でしたからね。確かに大丈夫ですね。」
再び、優輝が映し出される。
「ところで“サフィア”よ。儂に何か用があったのじゃろう?」
「...っと、そうでした。“封印”の確認の報告です。」
「ほう....。」
老人の目が細まる。余程重要な事らしい。
「やはり、ほん
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