第1章:平穏にさよなら
閑話3「可能性」
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っ....やっぱり、か。」
体を起こし、自身に解析魔法を掛ける。
....結果は、予想通りだった。
―――状態、“代償”により力と記憶の一部が摩耗中。
「...もう少しすれば、記憶も力も失う...か。」
多分、僕が最初の光の奔流を避ける寸前までの記憶が削られるだろう。
「....ん?」
ふと、顔を横に向けると、二人の少女と女性が土下座していた。
「....はい?」
正直、男ならともかく女性と少女が土下座とか理解できない。
「....すまなかった!」
「すみませんでした!」
「...あー...えっと...。」
そのまま二人は謝ってくる。いや、だから理解できないって。
「あなたのおかげで、私達は正気に戻れました...。」
「けど、お前にやった事は忘れてない...。今更ながら、なんであんなことを...!」
どうやら、さっきまでの行いを恥じているようだ。
「...頭を上げてくれ。」
「「......。」」
顔を上げた二人は、申し訳なさなどで僕を直視できていなかった。
「.....人間の魅了に掛かった事は、正直情けないと思っている。だけど、もう過ぎた事だ。当初の予定通り、僕を転生させてくれ。」
「え....!?」
「で、でも...!」
赦す訳でもなく、責める訳でもない事に納得しない二人。...まぁ、当然だ。
「...今の僕には時間がない。記憶と力も摩耗し、魂は削れていっている。このまま下界に転生して存在を安定させなければ....分かってくれるな?」
「っ....分かったよ...。」
「....はい.....。」
分かってくれて何よりだ。
「...二つ程条件を付けて転生させてくれ。」
「...分かりました。あなたのためなら、いくらでも。」
「まずは....ゲームのシステムのように、相手の能力...ステータスなどが見える能力と、自身にとって都合の悪い事を感じ取る能力をくれ。」
どちらも、保守的な特典だ。
「ステータスの方は、本当にゲームシステムのようにしてくれて構わない。称号とか、スキルとかみたいに。...後、ヘルプ機能的なのも付けてくれると助かる。」
「い、一応聞きますけど、どうしてそのような...。」
「僕自身が生き残るためだよ。さっきも言った通り、記憶と力は摩耗していっている。転生すれば、このやり取りの事と力も忘れているだろう。そして、転生する先の世界にも関連がある。...お前たちを魅了した奴の転生先は?」
理由を言う前に先に聞いておく。
「えっと...“リリカルなのは”の世界です
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