第34話
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彼女達の力を持ってすれば勝機は十分。迎撃の態勢を整えた後は張飛、趙雲達と共に突貫。
華雄の目の前まで行きこの手で討ち取る!
自身が取るべき行動、その方針を簡潔に纏めあげさらに馬を加速させる。
大胆にして冷静。将となって日は浅いが、彼女は既に軍神としての片鱗を見せ始めていた。
「どうした関羽、私と戦いたいのではないのか!!」
「……」
退きざるを得ない状況を作って置いて何を言っているのだろうか、誰もが思う所だろう。
当然とばかりに関羽は無視を決め込み。そんな彼女の背中を見て華雄は口角を上げる。
「一騎打ちをするのではないのか?! 私は出てきたぞ!!」
「っ〜〜どの口で!」
――掛かった
華雄は関羽の心境を手に取るように把握していた。それもそのはず、激情家であるのは華雄も同じなのだ。
もしも自分が同じような状況に陥っていたら、間違いなく腸が煮えくり返っているだろう。
それこそ、反転して一太刀浴びせたい程に。
「……くッ」
だがそれは死を意味する。たとえ運良く華雄を討ち果たせたとしても、残る軍勢に囲まれ殺られるだけだ。
主の道はまだ始まったばかり、このような所で犬死など――
「フン、所詮売女の将か」
「……」
「大事な初戦を義勇軍如きに任せるはずが無い。大方、総大将である袁紹に股でも開いたのであろう? お前の主――劉備がな!」
関羽の中で何かが切れる音がした。
「これは……まずいですね」
兵達と共に出撃した華雄を確認し、諸葛亮は表情を曇らせる。
「ど、どうしよう朱里ちゃん!」
「大丈夫です桃香様」
予定は狂ったものの、次の一手は決まっている。
幸いなことに関羽は兵に飲まれていない。彼女と合流し趙雲隊と共に迎撃、戦術で敵軍の隙を突く。
何とか一対一の状況に持ち込めれば、劉備軍最強の矛が華雄を討ち取るだろう。
「どなたか、今すぐ趙雲様に――」
「ああ……愛紗ちゃん!!」
「……え?」
主の悲痛な叫びに目線を戦場に戻した諸葛亮は信じられないものを見た。
何と関羽が馬を反転させ、華雄に向かって突撃したのだ。
そして華雄に向かって武器を振るう姿を最後に、彼女は兵の波に飲まれていく。
「……ッ」
今回ばかりは諸葛亮から余裕が消える。一騎打ちが成らなかったのも原因の一つだが、何より関羽が敵軍に孤立した事が大きい。
彼女の存在は劉備軍に必要不可欠、何とかして救出しなければならない。
しかし、それを任せるには義勇軍の集まりである自分達には荷が重い。最も有効なのは趙雲
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