第39話 徳川慶喜の憂鬱
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に巻き込みたくないしな」
(なるほど、そういう事か)
容保にも確かに解っていた。この戦は負けると。
「容保殿そして会津藩は、よく余の為に尽くしてくれて礼を言う」
慶喜は容保に深く頭を下げた。
「頭をお上げくだされ、慶喜公。拙者は、会津は、どこまでも徳川に尽くす所存です」
容保はここで引き下がっては、今までついて来てくれた家臣達に面目が立たないと思った。
徳川につくことは、会津の破滅につながると西郷頼母に苦言を呈されたこともあった。が、徳川あっての領地であり、天下泰平なのだと信じてついてきたのだ。
今更、おめおめと徳川を裏切り見捨てるようなことをしては、会津に傷がつく。
「ありがとう、容保殿」
慶喜は容保の手を取り固く握った。
「では、出立は早い方がよいでしょう。会津が護衛を務めますれば、慶喜公はすぐにでも準備を」
容保は素早く立ち上がって一礼すると、部屋を出て行った。
その姿を見送る。ともに慶喜もまた小姓を呼び準備支度を急がした。
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