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魔王の友を持つ魔王
§69 殲滅戦
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ルを何発もぶち込んでようやく沈黙させることに成功する。空母を撃沈させて、戦闘機が出てこないことを確認して即美術館へ。糞尿の弾幕をガトリングとミサイルで捌ききる。

「これ以上は機体が汚れる、か」

 機体をしまい降下する。四方を囲む大便小便の攻撃は。

「死し去らば、誰に憑ってか報ぜん!!」

 借り受けた、羅濠の権能で吹き飛ばす。

「本日の天気は晴れ時々汚物でーす……ホントごめんなさい」

 非常事態だ。このくらいの被害は許してほしい、と切に願いつつ美術館へ侵入に成功する。

「ここの絵画って絶対高いよなぁ……」

 破壊したら悲鳴の声が大変なことになりそうだ。かといって保護する時間もなく。

「敵を前にその態度。不快だな。それほどまでに私は容易い相手かね」

 背後に人影。出てきてくれたか。願ったりかなったりだ。

「難敵だと思うよ。ただこっちが縛りプレイしてるだけで」

「……君たちは闘争に際し手段を選ばない筈ではないか。そんな中で縛りプレイ(それ)は我々に対する侮辱であろう」

 一理ある。本当に接戦ならば、確かにそうだろう。手段を選んでいる暇などある筈ない。死闘ならばなおのこと。だが、それでも。

「僕は手段を選ぶんでね。それで死んだら、それはそれだ」

 我を通すだけの力が無かっただけだ。魔神来臨も破壊光線も。殲滅権能は最後の最後のとっておき。犠牲者の数を最小に出来る時にしか使わない。

「……不愉快な小僧だ。あまり私を舐めるなよ」

 苛立った声を聴きつつ、黎斗は僅かに、左足を後ろに隠す。ほんの少し。自然な体を装って。

「ほぅ……」

 目ざとく気づいた悪魔が嗤い、黎斗の顔が微妙に歪む。

(なんてね)

 安堵と焦燥。安堵は相手が偽装に引っかかってくれたらしいことに。これで足の方に気が言ってくれればいい。焦燥は肩の痛みに。肩に受けた傷の治りが遅い。----それは呪力が尽きかけていることを。黎斗の身体が屍に戻ること(タイムリミット)が近いことを示している。

「さて。意地でも本気を出してもらうぞ――――!!」

 茶褐色の水流がうねり、彼の悪魔を取り囲む。

「……別に手加減してるワケじゃないんだけどなぁ」

 説得力無いんだろうな、などと思いながらも黎斗は一応弁明する。

「ロンギヌス。頼む」

 ジュワユーズに念話を繋ぎ、預けていた相棒を陰から取り出して。ロンギヌスの治癒能力でも誤魔化せるのはわずかしかない。神憑りした分の呪力はとうに使い切って、自前も雀の涙。調子に乗って権能を乱発しすぎたか。

「でも調子に乗ったつもりはないんだよなぁ」

 護堂の山羊で呪力を辺りから拝借する。魅力的な考えだが、周囲にいる発狂組から呪
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