終幕
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そのアナウンスが入ると、会場が今日一番の盛り上がりを見せる。まるで今まで表彰が余興だったかのような、それほどの盛り上がりようである。
『今大会を最も盛り上げる戦いをしてくれたのは、彼らしかいないでしょう』
その声と同時に、俺とジュラさん・・・いや、正確にはジュラさんに背負われたいまだに眠っている金髪の少年がライトアップされる。
『妖精の尻尾シリル・アデナウアー!!&蛇姫の鱗レオン・バスティア!!』
わぁぁ!!と大会中でも数えられるほどしかなかった大歓声が俺たちに向けられる。
「レオン。起きて」
「んん・・・」
シェリアに揺すられて目を開いたレオン。彼はまだ光に目が慣れていないようで、ショボショボした目を擦りながら周囲を見回す。
「あれ?ここどこ?」
いつの間に自分が街の中から移動したのわかっておらず、?を大量に浮かべている少年。
「ベストバウト賞だって」
「何それ?食えんの?」
シェリアに事情を簡潔に伝えられたレオンは寝惚けているようでそんなボケをかます。その少年を見たリオンさんが、彼の頭を思いっきり叩く。
「いてぇ!!何すんだよ!!リオンくん!!」
「お前がベストバウト賞を取ったんだ!!わかったら早く行けバカ」
「バカって言った!!バカって言った方がバカなんです!!」
「じゃあお前3回言ったから大バカだな」
おお・・・リオンさんの返しがうまい・・・って、そんなことに感心している場面じゃなかったな。
「レオン。早く行こうよ」
「ん?うん」
いまだに状況を把握できていないレオン。そんな彼を手招きした俺は、レオンが隣に来るのを待ってから一緒に表彰台へと上がる。
『ベストバウトを繰り広げた2人には、記念としてこちらのトロフィーを送らせていただきます』
そう言ってヤジマさんに運営から渡されたのは、天辺にマトー君が乗っかっているトロフィー。もっと魔導士が戦っているところのワンシーンとかの方が良くなかった?
「おめでとう」
「ありがとうございます」
なんてことを思いながらもトロフィーを受け取る。左手が動かないせいで片手でもらってしまったけど、それは気にしないでほしい。
次にレオンも同じトロフィーが贈られたのだが、そこでようやく彼は何のことかわかったらしく、俺の方に笑みを見せる。
『ベストバウト賞はなんと大魔闘演武始まって以来初となる満場一致での決定!!皆様!!この小さき天才たちに盛大な拍手を!!』
満場一致・・・ということは、これを見ていた人全員が俺たちの戦いが一番凄かったと感じてくれたんだ。それは純粋に嬉しい。自分達の戦いがそこまでの評価をしてもらえるなんて、嬉しくない訳がない。
トロ
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