終幕
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グレイさんと彼にしがみついている俺が国王杯を掲げているエルザさんの方を見ながら染々と優勝の余韻に浸っていると、予想外の表彰が始まる。
『続いて、今大会で最も活躍した選手に、MVP賞をお渡しします!!』
「「「「「MVP賞!?」」」」」
いきなり出てきた単語に妖精の尻尾の大会参加者全員の声が見事にハモった。しかも驚いているのは俺たちだけ。つまり知らなかったのは俺たちだけということで・・・そう考えるとなんか恥ずかしくなってきた・・・
「なんだグレイ。知らなかったのか」
「毎年あるんだよ。大会の運営と、観客たちの投票で決めてるんだよ」
隣にいたリオンさんとシェリアがそう教えてくれる。そうなんだ。でも、これはちょっと・・・いや、かなり期待できるぞ!!
「マジか。心の準備が」
「「お前は絶対ねぇよ」」
自分が呼ばれるものだと勘違いしているガジルさん。そんな彼にラクサスさんとグレイさんが冷静に一言。ガジルさんは絶対ないですよ。だって乗り物酔いしてたじゃないですか。
『今年のMVPは・・・』
突然電気が落ちるドムス・フラウ。すると、人1人を照らすほどの大きさのライトが縦横無尽に闘技場の中を駆け巡る。
『妖精の尻尾・・・』
これは本当に自信ある。だって伏魔殿もトリプルバトルも頑張ったんだぜ?最終日はパッとしなかったし初日も負けてるけど、それでもお釣りが来るぐらい活躍しただろう。
妙に自信が湧いてきている俺は、胸を張ってライトが自分を照らし出すのを待ち構える。それなのに、ライトは俺ではなく、そのすぐ近くの人物を照らしていた。
『エルザ・スカーレット!!』
そのコールと共に、俺とガジルさんが思わずズッコける。
「「俺じゃないんかい!!」」
息ピッタリで同時に声を張り上げた2人の竜は、互いに顔を見合わせた後、ガッカリと肩を落とした。
『伏魔殿の完全制圧に最終日のカグラ、ミネルバの連戦。素晴らしい活躍を見せた妖精女王に、記念の盾が授与されます!!』
「す・・・すまんな、シリル」
国王杯をラクサスさんに預けた彼女は俺にそう言うと、再びヤジマさんの元へと向かっていく。むぅ・・・納得いかない。
「おめでとう」
「ありがとうございます」
エルザさんに国王杯の半分ほどの大きさの盾が渡される。それを見て、彼女に祝福の拍手を送ってはみるが・・・やっぱり納得いかない。
盾を受け取ったエルザさんがミリアーナさんや一夜さんに声をかけられながら戻ってくる。こうして閉会式が終わるのかと思ったら、なんとまだ続きがあった。
『さぁ!!皆さんお待ちかね!!ベストバウト賞です!!』
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