終幕
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》コール。それにはチャパティもヤジマも興奮している様子だった。
『カボ・・・最終日を無敗で乗り切るなんて・・・カボ?』
誰1人として倒されることのなかった最終日。マトー君はそれに言葉を失っていたのだが、その後ろから王国の兵隊たちが現れ、そちらに視線を向けていた。
『いやぁ、最下位スタートからのまさかの逆転劇。そういえば、最初はAチームBチームに別れていましたよね?』
『最終日はナツくん不参加だったけど、結果的にはギルドの結束力がものをいったのかも知れないねぇ』
大会の当初を振り返っている実況席。妖精の尻尾の優勝を見ていた今大会の出場者たちは、その魔水晶ビジョンを見上げながら、なぜだか笑顔になっていた。
「さすがだね」
「あぁ・・・かなわんな」
1人では立ち上がることもままならないソフィアをおんぶしているリズリーと、アラーニャとベスに支えられているカグラがそう言う。
「やれやれ。結局今年も2位止まりになってしまったか」
今年も優勝を手にすることができなかった蛇姫の鱗のリオンが少し残念そうに、しかし、ライバルであるグレイの勝利に少しだけ喜びを感じているような、そんな表情をしている。
「ごめんね、リオン」
彼と一緒に飛ばされ、その隣に座っているシェリアが頭を押さえながら、申し訳なさそうに謝罪する。
「あっぱれ」
同じく蛇姫の鱗のジュラは、どこか満足気な表情で一言そう呟く。その近くで倒されていたオルガは、今さらではあるが、ようやく意識を取り戻して体を起こしていた。
「ま・・・天狼組の復帰祝いってことで」
「大きなプレゼントになったね」
「優勝おめでとう」
「最高のギルドだな、グレイさん」
リオンに倒されたタクトを迎えにきた青い天馬の面々。イヴとタクトに肩を貸しているヒビキとレン、そして肩を借りてようやく立っている長身の男が、それぞれ妖精たちに祝福の言葉を贈る。
「妖精の尻尾すごい!!」
「ああ」
ピョンピョンと音を立てて跳ね回っているフロッシュとダメージが大きくまだ座っていることしかできないローグがそう言う。
「クス」
すると、いきなりローグが小さく笑う。
「負けたのに、こんなに気分が晴れたのは初めてだ」
「ローグ」
破れてしまったはずなのに、嬉しそうにしているローグを不思議そうに見上げるフロッシュ。
「フロッシュ・・・俺は・・・」
「ん?」
「俺は、仲間を大切にする男になりたい」
「フローもそーもう!!」
爽やかな笑顔を相棒に見せるローグ。それを見たフロッシュも同じように笑顔になり、手を挙げて返事を
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