終幕
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『決着!!大魔闘演舞優勝は・・・妖精の尻尾!!』
観客たちの歓声で激しく揺れるドムス・フラウ。歓喜に湧く妖精の尻尾。そして、それを成し遂げた6人の妖精たちは互いに視線を交わらせ、ついにたどり着いた栄光に満足気な表情を浮かべていた。
その内の1人。妖精女王のエルザがゆっくりと目の前でガックリと手をついているスティングのそばに歩み寄る。
「スティング。なぜ向かってこなかった」
親友のために全員まとめて倒すと息巻いていたスティング。それなのに、彼は突然膝をつき降伏したのであった。それがなぜなのか、エルザたちには理解ができない。
「会えない気がした・・・」
項垂れたまま、彼はそのように答えた。
「勝てば会えると思ってたのに、なぜか・・・会えない気がしたんだ・・・」
彼が一体何を言っているのか、まだ把握しきれていないエルザはただ次に発せられる言葉を待ち構える。
「自分でもわからない。あんたたちが眩しすぎて、今の俺じゃ・・・会えないって・・・」
仲間のために、例え傷だらけになろうとも挑むでいった妖精の尻尾。スティングはそんな彼らの姿を見て、自分のことしか考えていなかった自分では、レクターに会えないと感じ、戦う意欲が失せてしまったのだった。
「会えるさ」
「エルちゃ〜ん!!」
優しく声をかけたエルザ。彼女の後ろから、聞き覚えのある声がエルザのことを呼び、そちらに皆視線を向ける。
「?・・・あ・・・」
ようやく顔を上げたスティング。彼はエルザを呼んだその女性を見て、目を見開いた。
笑顔で緋色の髪の女性に手を振っているのは彼女と楽園の塔からの友人であるミリアーナ。そんな彼女の手の中には、ぐっすりと眠っている赤茶色のエクシードが大切そうに抱えられていた。
「あ・・・あぁ・・・」
スティングはそのエクシードを見たと同時に立ち上がり、すぐにその元へと駆け寄っていく。ただ、気持ちばかりが先を行き、足がついてこずに何度も何度も転びそうになってしまう。
「んん・・・」
彼が必死に近づいてくるのを感じたからなのか、ミリアーナに抱えられていたレクターがゆっくりと目を覚ました。その彼の瞳に真っ先に飛び込んできたのは、言うまでもなく、自分に駆け寄ってくるスティングだ。
「ん!!んん!!」
近づいてくるスティング。待ち焦がれていた青年の姿を見たレクターは、寝起きとは思えないほどの速度でミリアーナの手から抜け出そうとしている。それに気付いたミリアーナは、レクターを地面へとゆっくりと下ろし、彼の一番の親友の元へと送り出す。
「レクター!!」
「スティングくん!!スティングくん!!」
「レクタ
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