外伝
外伝《絶剣の弟子》D
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ようにこちらを見る。
「あ、いや。さっきまで水流があったのになくなってるなって」
「は?水流?そんなもん仮想の海にある訳ねーだろ」
「え?でも……」
「ただでさえ液体環境は不得意分野だってのにそんなことに常時リソース割けなーーー」
「待って」
アルセさんの言葉にセインさんが割り込む。何だよ的な視線を向けるアルセさんを傍目にセインさんが暗視魔法のスペルを唱え、辺りを見回す。目の色が時折変わっているのは索敵スキルとその派生スキルを発動させているからか……
「……いいかい、アルセ。君の言うとおり、仮想の液体環境に水流は無い。この場合、海流となる訳だけど……それが発生する例外が2つある」
「あん?」
「1つは魔法。初級のコモンスペル、もしくは最上位クラスの水属性攻撃魔法には、フィールドの水を操作出来るものがある」
「あ、ああ。そりゃ知ってる」
「もう1つは、水棲モンスターの移動だよ」
「移動……ッ、なるほど」
俺以外の仲間達がハッとなったように身構える。一拍遅れて俺も盾を前に構えて辺りを見渡す。しかし、辺りは当然暗闇しかない。
「ライト、あっち。よく見て」
「え?は、はい」
ユウキさんの指が指した方向にもただひたすら闇が広がっているだけだった。
(……??いや、違う……なにか、来る??)
「散開??」
セインさんの言葉が響くと同時に真横へ全力で跳ぶ。水の抵抗ですぐ減速するものの、こちらへ迫って来た巨大なモノとの直接接触は避けられた。
それに押しのけられた水が容赦なく襲ってくる。ただでさえ姿勢が悪かった為、容易に煽られあっという間に上下左右の感覚を失った。
「こっちだよ!」
「うわっ??」
ユウキさんの声が聞こえ、揉みくちゃにされる俺の腕を捕まえると力強く引っ張られる。しばらく引っ張られると水が引っ掻き回されたエリアから脱したらしく、少し目を回しながらも体勢を立て直すことが出来た。
「あ、ありがとうございます」
「どういたしまして!いやー、びっくりしたなー」
下を見ればさっきの巨大なモノーーー大ムカデが何かを追うように海底をものすごいスピードで蠢いている。目線ずらせば、その先にいるのはセインさんだった。水中とは思えない細かな軌跡を描き、猛スピードで追いかけてくる大ムカデをかわしきっている。
「ユウキ、ライト君。大丈夫?」
「はい。何とか」
「アスナとシウネーも大丈夫?」
「私たちは平気です。サポートするので作戦通り始めましょう」
「オッケー。じゃ、ライトついて来て!」
「え、作戦?って、え……??」
そんなこと聞いてない、と言う前にユウキさんが飛び出し、アスナさんとシウネーさんは魔法の詠唱に入ってしまってる。こうなればもうやるし
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