3話
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で戦場をコントロールする能力。それがウースが持っている力だった。
(この方と、今度呼び出す方々が多少なりでも強ければ)
彼の力は最強ではない。ただし万能だった。
だからこそ、少しでも力があれば。彼とその者たちは、どんな難航不落なゲームでも……それどころか魔王でさえも。
黒ウサギの心の中は期待に満ち溢れていた。
(だからこそ)
コミュニティに入って貰いたい。
一瞬締め付けるような苦しみが黒ウサギの胸を襲う。だが、彼女はそれを無視した。
黒ウサギは確かに善性の心を持っている。だからと言って、欲がないわけではないのだ。
コミュニティ(秩序)の為に。仲間(秩序)の為に。彼女は自信の痛み(罪悪感)を無視する。
(でもだますことには変わりないんですよね)
そんな事を黒ウサギが、空回る思考を巡らせていた。
彼女の考えを遮るように、ウースが最後のゴルゴンを呪文で倒していた。
そして黒ウサギの方向に向き直り、手を振っていた。
彼女はそれに答えるように、手を振ってウースに向かって歩き出す。
数分もしないうちに、黒ウサギはウースがいる場所に着く。
黒ウサギの目に映る光景に、一か所に集まった首のないゴルゴン達が、逆さになって宙に浮かんでいた。
傷ついたウッド・ゴーレムが周りを警戒するようにたたずんでいる。
ウースはゴルゴン達を囲う様にに、地面に何かを書いていた。
「何してるのですか?」
「ああ、これ持ってくの大変だろう。あの屋敷の前まで転移しようと思ってね」
「瞬間移動まで可能なのですか」
黒ウサギは感心するように言葉を発する。
「本当に何でもできるんですね」
「何でもじゃあない。大抵は、だ」
彼女の言葉に付け加えるように、ウースは呟く。
「処で、ギフトゲームとやらはこれでクリアしたんだろう。何か貰えないのかな?」
「ええ、勿論。早速黒ウサギが受け取りに行ってきますね」
地面に魔方陣を書き続けるウースに背を向けて、黒ウサギは走り出した。
ウースが魔方陣を書き終える頃に、彼女は帰ってきた。その背中に大きな袋を背負っている。
黒ウサギは袋を彼の前に置く。
「見てください! これ全部葡萄や林檎、梨とかいろいろな果実や木の実です」
彼女の言う通り、袋の中に様々な果物や木の実がびっしり収まっていた。
「これで幾日かは食べ物に困らないな」
「YES! みんな久しぶりにお腹いっぱい食べれます」
嬉しそうに黒ウサギは頷く。
その笑顔を見て、ウースは満足げに首を上下に振る。
そして、
「さあ、サークルの中に入ってくれ。屋敷に帰るとしよう」
「はいな」
黒ウサギは、うまく収まっているゴルゴン達の死体をよ
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