ターン41 鉄砲水と流離の浮雲
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僕も。
「そのかわり、やるからには勝たせてもらうからね。それじゃあ、デュエルと洒落込もうか!」
「「デュエル!」」
先攻は僕。いまだこのデッキの進むべき道は見えてこないけれど……それでも、僕にできるのはこの子たちを信じて戦い抜くことだけだ。ちなみにこれは恰好つけた言い方で、もっとざっくり言うとただ単になんも思いつかないから現実逃避してるだけだったりする。
「出て来い、ハンマー・シャークッ!」
ハンマー・シャーク 攻1700
頭部がハンマーの形をした鮫が、僕の呼びかけに応えてその姿を現す。いつもならばその効果を使ってさらに展開をするところだけど……珍しいことに、僕の手札には現在レベル3以下の水属性モンスターがいない。
「さらにカードを2枚セット。これでターンエンド」
攻撃力がそこそこ高いアタッカー1体に、伏せカードが2枚。とはいえ実はそのうち1枚は今使えないカードをブラフにしただけだけど。でもそんなこと黙ってればわからない、ここでどう出てくるかを、まずはじっくり見させてもらおう。
「1つ忠告しておこう。熱くなるだけでは、僕にデュエルには勝てない。僕のターン、ドロー。いいカードを引いた、永続魔法発動!雲魔物のスコール!」
もくもくと雨雲が上空に広がると突然鼻先に冷たいものが当たった気がして、思わず手でぬぐってしまった。もちろんその手が軽く濡れていた……なんてことはなく、ただのソリッドビジョンの投影に過ぎない。
「この効果は今にわかる。雲魔物−アシッド・クラウドを召喚!」
緑色の雲がどこからともなく湧きあがり、少しずつ寄り集まって人のような形になる。やがてその顔、それも目に当たる部分に意志の光が宿り、どうやらこれがモンスターらしいと気づいた。
「攻撃力、500……?」
「アシッド・クラウドの効果発動。このカードの召喚に成功した時、フィールドの雲魔物の数だけ自身にフォッグカウンターを置くことができる。僕のフィールドには雲魔物が1体、よってカウンターが1つ乗る」
雲魔物−アシッド・クラウド 攻500(0)→(1)
「カードを1枚セット。これで、ターンエンドだ」
「え?」
攻撃力500のモンスターを囮にして強力な伏せカードをセットする戦術、なんだろうか。ここまであからさまに罠だと、攻撃していいものかどうかわからなくなってくるな。
「どうした?これでターンエンド、と言ったんだ。アシッド・クラウドのことは煮るなり焼くなり、好きにするがいい」
清明 LP4000 手札:2
モンスター:ハンマー・シャーク(攻)
魔法・罠:2(伏せ)
アモン LP4000 手札:3
モンスター:雲魔物−アシッド・
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