暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン41 鉄砲水と流離の浮雲
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れたような跡もなければ目立った汚れもついていないことを見ると、かなり最近のもの……具体的には、まだ設置から1か月と経ってないだろう。つまり、あのプロフェッサー・コブラが来てデスデュエルが始まる直前のあたりだ。健康に関わるようなデスデュエルの時点で薄々感づいてはいたけど、ここまで条件が重なるといよいよもって怪しい。
 そんなことを考えながら完全に壊れて使い物にならないそれを見つめていると、アモンにも気づかれてしまった。

「……それは?」
「ぼくもわかんないけど、監視カメラだとさ。この森の中に仕込んであったらしいけど……少なくともこれは、もう使い物にはならないね」
「そうか。すまないが、それを貸してくれないか?何が撮影されているか、誰が仕掛けたものなのか、ガラム財閥の技術ならばデータの復元や情報の送信先が割り出せるかもしれない」
「はいよ。僕が持っててもしょうがないし」

 ぽいっと投げ渡したのを座り込んだままキャッチし、いやに大事そうに抱えるアモン。渡しておいてなんだけど、何か変なこと企んでなければいいけど。
 いや、どうもこれまでの様子を見る限りでは、アモンもこのデスデュエルの被害者だ。どうせ僕が持っていても役には立たないこのカメラ、あげちゃっても問題ないだろう。

「じゃ、僕は帰るよ。立てる?」
「なんとかな……と言いたいところだが。ここでしばらくの間、雲でも眺めてから戻ることにしよう」
「そう?」

 聞き返すが、すでに返事はなかった。寝転がって目をつぶっているところを見ると、体力減少による疲れが効いて眠ってしまったのかもしれない。まあ昼寝のひとつやふたつでそうそう風邪ひくこともないだろうし、放っておけばいいだろう。
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