ターン41 鉄砲水と流離の浮雲
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000以下のモンスターばかり出してきていたのに、ここぞという局面にこんな火力の切り札を隠し持っていたなんて。
超高速でライフを削りつつこちらの手の内を読み切り一手先の行動を仕掛けてきたオブライエンや、精霊との絆と自らのデッキを限界まで信じ抜くことでシンプルではあるが攻略しがたい強さを見せつけたヨハンへとはまた違う、常にこちらの行動を上から見下ろしてくるくせにこちらからはその動きを捉えきれず、こちらの油断をついてその表情を一変させる……まさにそのデッキと同じく雲のようなアモンの強さは、認めざるを得なかった。
「バトルだ、ニンバスマンでシャークラーケンに攻撃!ダウンパワーシャワー!」
雲魔物−ニンバスマン 攻5000→シャークラーケン 攻2400(破壊)
清明 LP1800→0
「さて、デュエルが終わったわけだが……来たか!」
「またか!」
ソリッドビジョンによるたくさんの雲が消え、それと連動するようにデスベルトが光を放つ。ちょっと立ちくらみがしたので大人しく座り込んで調子を整えていると、アモンが苦しそうに息を吐きながら地面にうずくまった。
しかし十代ですらデスデュエル終了後はしばらく意識がなかったことを考えると、その場で気絶してないあたりアモンも相当体を鍛えてあるのだろう。オブライエンといいアモンといい、服の上からでも筋肉がよくわかるプロフェッサー・コブラといい、そんなに鍛えてアスリートにでもなるつもりなんだろうか。それともどこかの兵隊とか……いや、そこまでいくのは考えすぎかな。
「なる、ほど……貴重なデータが取れた、な」
「よくわかんないけど、おめでとさん。あー、だるい……」
お互いに座り込んでいる間に、何か服の後ろをちょいちょいと引っ張られるような感覚がしたので振り返る。そこにいたのはうさぎちゃんこと幽鬼うさぎの精霊。だけどその手に持つ鎌にはカードイラストと違い、先端部分に串刺しになった機械が付いていた。相変わらず押し黙ったまま、それを見せつけるように突き出してくる。
「えっと、くれるの?」
『……』
どうやら正解だったらしく、ほんの少しだけ表情を明るくしてこくこくと頷いてからその機械を鎌の一振りで足元に落とすうさぎちゃん。このレンズからいって、恐らくこれは監視カメラだろう。わざわざ色まで塗って目立たなくしてあるところを見るに、相当慎重に仕掛けてあったに違いない。実際、僕もこんなのがすぐ近くにあるなんて全く気付かなかった。1人だけそれに気づいたこの子が、こっそり抜け出して刈り取ってきてくれたのだろう。
しかし監視カメラねえ。オベリスクブルー女子寮に仕掛けるんならいい悪いはともかくとしてわからんでもないけど、こんな森の中に仕込んで何を撮る気だったんだろう。ただ雨に濡
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