ターン41 鉄砲水と流離の浮雲
[11/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ビュランス(攻)
雲魔物−スモークボール(攻)
魔法・罠:1(伏せ)
「僕のターン、ドロー!……このカードで繋いでみせる!2体目のグレイドル・コブラを召喚、そしてスモークボールに攻撃!」
グレイドル・コブラ 攻1000
空から降りてくる雲にたいして立ちはだかるのは、地面から湧き上がる銀色の水たまりから生まれる大蛇。その毒牙が唸り、最も小さくて弱く、またなんの耐性も持ちえない通常モンスターのスモークボールを一噛みで噛み千切らんと迫る。
だがその牙も届く寸前、決して小さくはないコブラの体ごとふっと僕の目の前から消えてしまった。スモークボールの前にぽっかりと開いた次元の裂け目に飲み込まれ、この世界から消えてしまったのだ。
「そんな単調な攻撃は通さない。トラップ発動、次元幽閉!このカードにより、攻撃モンスターはゲームから除外される」
「コブラが……だとしても、僕のすることに変わりはないね。カードをセットして、ターンエンド!」
「ふっ、随分と熱くなっているようだが……熱くなるだけでは、デュエルには勝てない。僕のターン、ドロー!」
今アモンは、悩んでいるはずだ。確かにアモンの場に存在するモンスターの攻撃力合計は1900と僕の残りライフを上回ってはいるが、その数値はたかだか100に過ぎない。つまり、僕の伏せカードがもし何らかの形で攻撃を妨害する、あるいはダメージを軽減するものだった場合このまま攻撃しても僕のライフは当然、残る。かといってさらに攻撃のできるモンスターを展開しようとしても、やはりこの伏せカードが枷となる。
当然僕が伏せたのはそのどちらかだ。さあ、危険を冒してモンスターを増やすか、危険を冒して攻撃するか。ふたつにひとつ、どちらを選ぶか見せてもらおうじゃないの。
「ここは攻撃だ。3体のモンスターでダイレクトアタック!」
「惜しい、命拾いしたね?トラップ発動、波紋のバリア−ウェーブ・フォース!」
僕の全身をぐるりと取り囲むように水の壁が包み込み、そのまま攻撃してきた雲魔物たちの連撃を受けた部分に波紋が走る。次の瞬間、3体の雲魔物はすべて吹き飛ばされた。
「ウェーブ・フォースは直接攻撃宣言時にのみ発動できて、その効果は相手モンスター全てをデッキバウンスするのさ!」
通常召喚でさらにデッキバウンス対象のアタッカーを増やしてくれたらありがたかったけどね、そうそううまくはいかないか。プレイングセンスだけじゃなく、デュエリストとしての勘まで優れていると見える。どんなルートを使ったのかかは知らないけど怪電波とデスデュエルについてもすでに当たりをつけていたみたいだし、こういう勘のいい知性派は本当に厄介だ。
そして今も、自分のモンスターをいっぺんに失ったというのにまるで慌てた様子がない
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ