第二十一話 授業中その三
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「非常識にも程があるわよ」
「体育館にガムのカス落ちてることもあるしね」
「誰がそのままにしているのかしら」
「先輩達だったらね。ちょっと引くわね」
「三年の方だったら特に」
これは考えていませんでした。私達の学年かしらって思っていました。
「ということは寮の先輩達も!?」
「まさかねえ」
「いえ、ちょっと待って」
一人が言うのでした。
「ひょっとしてよ、ひょっとして」
「ええ」
彼女の話をじっと聞きます。皆で。
「高井先輩とか佐野先輩とか」
「まさか」
「それはないわよ」
余計に想像できません。あんな奇麗な方々が。それにしても先輩の方々に奇麗な方がかなり多いのはどうしてなんでしょうか。奥華の方にこれを御聞きしたら心の奇麗さがそのまま顔に出て奇麗に見えるって御聞きしましたけれど。そういえば皆さん素晴らしい方ばかりです。
「それはまさか」
「あの方々が」
「これがあんただったらね」
一人が意地悪そうに突っ込まれます。
「有り得るだけれど」
「そうよね」
「あのね、そんなこと言っても」
その一人がむっとした顔で言いました。
「私は別に困らないんだけれど」
「困るかどうかは別にしてね」
「とにかくそんなにお行儀が悪いようにはならないようにしましょう」
「賛成」
これについては皆賛成でした。
「最低限ね。それだけはね」
「学校は落ち着くっていっても程々によね」
そんな話をしてその日は終わりました。それで授業も部活も終わって商店街に出てそこでソフトクリームを買って食べていると。高井先輩と佐野先輩が来られました。
「あっ、ちっち」
「ソフトクリームなの」
「あっ、先輩」
まさかこんなところで御会いするなんて。
「ちっちってソフトクリーム好きなの?」
「そういえばよく食べてるわよね」
高井先輩が佐野先輩のお話に頷かれています。
「ガムは食べないわよね」
「そういえばそうね」
「ガムはちょっと」
私は御二人に答えました。それと一緒にさっきの皆との話を思い出しました。
「学校じゃ食べてる人多いみたいですけれど」
「まあそうね」
「それはね」
御二人は私の言葉に頷かれます。
「私だって噛むこと多いし」
「私も。授業中に噛んでねえ」
「立たされたことあったわよね」
「えっ・・・・・・」
何か本当みたいです。まさかと思いましたけれど。
「本当ですか?それって」
「一年の頃ね」
「そういうことあったわよ」
平気な御顔ですけれど。こんなことでいいんでしょうか。
「まあねえ今となってはそれもね」
「いい思い出よね」
「そうなんですか」
幾ら何でもそれはって思っていましたけれど。本当だったなんて。
「今だってよく噛むわよね」
「そうよね」
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