暁 〜小説投稿サイト〜
ガンダムビルドファイターズトライ 〜高みを目指す流星群〜
02 「プラモデル部の勧誘」
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のときもどうにかなったのだから今回もどうにかなるだろう。
「その誘い乗ってやるよ」
「ちょっとナグモ、別に受ける必要もないでしょ。流れからして負けたら確実に何かしらあるわよ!」
「ここで受け流しても今後また絡まれるかもしれない。だったらここでケリを付けてた方が後々楽だ」
この先輩ことだ。自分が負けるなんて思ってもいないだろう。だから勝負は人の目のある場所で行うはずだ。そこで白黒付けておけば、彼の性格的に迂闊な行動は起こしにくい気がする。
ガンプラバトルでなら1対多数でも勝てる可能性はあるが、ケンカでは勝てる見込みはゼロに等しい。人とちゃんと殴り合った経験なんてほとんどないのだから。
「勝負の方法は?」
「無論、ガンプラバトルだ」
「それでいいのか?」
「ふん、ガンプラ製作では時間も掛かってしまう。それに僕が勝つのが目に見えているからな。少しでもフェアにして勝負しなければ彼女達から批判も受けそうだしね」
コウガミはともかくヒョウドウは別に何も言いそうにないのだが。大体俺達は今日顔を合わせたばかり。それほど相手の行動に介入するほどの仲ではない。
「改めて聞くが君はこの勝負を受けるかい?」
「ああ」
「結構。もしも君が勝ったならば、僕は今後そちらがガンプラバトル部をやめたりしない限り勧誘はしないと誓おう。だがこちらが勝った場合、君はうちに入ってもらうよ」
プラモデル部への入部? ……なるほど、部員を増やして部費が上がるようにしつつ下僕的な存在にしようって根端か。
これに加えて俺達以外にガンプラバトル部に入部する人間はいない可能性が高い。俺がプラモデル部に入った場合、コウガミ達は大会に出るならば勧誘が必要になる。それが上手くいかなかったとすれば、プラモデル部に入れやすくなるとでも思ってるのかもな。
「分かった」
「では決まりだ。僕は部室に行ってガンプラを取って来る。君はガンプラバトル部の部室で待っておけ。別に逃げても構わないが、その場合は僕の勝ちとさせてもらうよ」
「逃げるつもりなんかない。だからさっさとガンプラを取ってきたらいい」
「ふん……本当に生意気な後輩だ」
徹底的に叩きのめしてやるといったニュアンスの言葉をブツブツと吐きながら先輩は去って行った。
ヒョウドウは別に興味がないのか、はたまた感情が表に出にくいのか顔色ひとつ変えていない。対するコウガミは呆れたような顔を浮かべている。
ちなみに傍に居た先生は、流れに付いていけてなかったのか、これも青春だと思っているのか口を挟みそうにはない。とはいえ、部室の鍵だけは開けてもらわなければ。
「さて……準備しておくか」
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