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戦国異伝
第二百四十一話 二度目の戦その十二

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「本朝は海に出てじゃ」
「そこから多くのものを得ますな」
「そうなっていく」
「何か夢がありますな」
「うむ、しかしな」
「その前にですな」
「まずはじゃ」
 家康はここでこうも言った。
「あの者達を討つのじゃ」
「魔界衆の者達を」
「成敗するぞ」
「その軍勢が屋島にいるなら」
 信康は冷静にだ、己の父である家康に述べた。
「姫路からですな」
「うむ、四国に渡りな」
「そうした戦になりますな」
「おそらくこの戦は最初の戦でじゃ」
「次がありますな」
「源平でもそうであったな」
「はい、先に一ノ谷での戦があり」
「そして壇ノ浦で決着となったな」
「では」
「あの者達の拠点はわからぬ」
 一体何処にあるかだ、伊賀は攻め落としたにしてもだ。
「しかしじゃ」
「四国においてはですな」
「屋島にある、ではな」
「その屋島で勝ち」
「次の戦でも戦おうぞ」
「それでは」
 こうしたことを話してだった、そのうえで。
 織田の軍勢は姫路から屋島に兵を進めることにした、いよいよ魔界衆との天下を賭けた戦がはじまろうとしていた。


第二百四十一話   完


                      2015・8・26
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