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ガンダムビルドファイターズトライ 〜高みを目指す流星群〜
01 「ガンプラが繋ぐ出会い」
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の強豪校ではない。実際に行うことも簡潔に言ってしまえば、ガンプラを作ったりしてバトルさせるだけ。部室が校舎の隅の方に置かれるのは仕方がないと言える。
「……ん?」
部室前に差し掛かった時、前方にひとつの影は飛び込んできた。手に持たれているのはかばんとガンプラが入っているであろうケース。立ち姿はとても綺麗で、それだけでも人の目を惹きつける何かがある。
あの子は……。
脳裏によぎった考えは距離が縮まるにつれて確信に変わる。
短めに綺麗に整えられた黒髪に感情があまり見えないが整った顔立ち、抱きしめれば折れてしまいそうな華奢な印象を受けるがそれなりに発育の進んだ体。間違いなく昨日デパートでバトルを行っていたセラヴィーを使うファイターだ。
まさか同じ学校だったとはな……リボンの色を見る限り俺と同じ新入生のようだし。
「……あなた達もガンプラバトル部に入るつもりなのですか?」
「まあそうなるわね。そういうあなたも?」
「はい」
他愛もない会話ではあるのだが、何だろうかこの妙な気まずさは。
あれか……コウガミと目の前に居る女生徒が真逆とも言えそうな感じだから何とも言い難い空気が発生しているのか。まあ初対面だからというのも理由ではあるだろうが……。
「それにしても……ずいぶんと部室静かね。というか、何であなた中に入ってなかったの?」
「それは入りたくても入れないからです。ここのガンプラバトル部は去年の3年生が引退してからは休部になっていたそうです。なので部室には鍵が掛かっています。まあ先ほど職員室に行ったので、もうすぐ顧問の先生が鍵を開けに来てくれるでしょう」
ガンプラバトルの名門として知られているわけじゃないから部員はそう多くないと思っていたが、まさか休部になっていたとはな。まあ公式戦には3人居れば出場できる。当日に欠員が出たりすると不味いが、日頃から部員集めを行わなくていいのは救いだな。
「そういえば、まだ名乗っていませんでしたね。私はヒョウドウ・トウカと言います」
「あたしはコウガミ・アリサ、よろしくね」
「俺はナグモ・キョウスケ、よろしく」
「ナグモ……?」
「ん、俺に何か?」
「いえ……何でもありません」
何でもなさそうには見えなかったが……まあ無理に聞く必要もないだろう。強引に問い詰めたところで自分の首を自分で絞めて今後の学校生活を送りづらくするだけだ。
そう思っているうちに沈黙が流れ始める。ガンプラという共通の話題があるというのに、誰もそれで話そうとはしない。先ほどまで俺に話しかけていたコウガミすら黙っている。ヒョウドウのようなタイプは苦手なのか、はたまたもうすぐ顧問が来ると聞いたので騒がないようにしているのか……。
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