第九幕その二
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「ですから緑かといいますと」
「違うのね」
「はい、姫は白でしょうか」
「私はその色なのね」
「そうだと思います」
「そうなのね、けれどね」
そしてでした、ここで。
ふとです、オズマはこうも言ったのでした。
「ドロシーもベッツイもトロットもね」
「それぞれの色がですね」
「ありますか」
「そう思うわ」
こう言ったのでした。
「皆にもあって私達にもね」
「そうなのですね」
「そしてそれは多分ね」
「多分?」
「一色じゃないわ」
一つの色だけではないというのです。
「それぞれの人の中に何色もあるのよ」
「そうなんですか」
「メインの色はあっても」
ナターシャの黒やオズマの白です。
「皆の中にね」
「何色もありますか」
「そうだと思うわ、黒と一口に言っても」
「私が好きな色も」
「勿論白もね」
オズマのメインと言われるその色もというのです。
「色々な色があるのよ」
「白と一口に言っても」
「そういうものですか」
「そして赤も青もあるの」
ナターシャやオズマにしてもというのです。
「皆の中ににね」
「人は一色じゃないんですね」
「一色で言い切れたらね」
オズマはまた言いました。
「こんなに簡単なことはないかしら」
「けれど人はですね」
「複雑なものだから」
「これ以上はないまでに」
「そう、複雑なものでしょ」
「先生に言われました、人間がこの世で一番難しいことだって」
ナターシャは自分達の世界の学校で先生に教えてもらったことをオズマにお話しました。
「学校のどのテストよりも難しいって」
「そう言われたのね」
「はい、言われてみると確かに」
「人間は難しいでしょ」
「一人の人が色々な感情を持っていますね」
「決まってないでしょ」
「はい、どの人も」
「笑ったり怒ったりしてね」
所謂喜怒哀楽、人のそれも言うオズマでした。
「決して一つではないから」
「だから難しいんですね」
「そうなの、この世で一番難しいということはね」
「先生の言う通りですね」
「そう思うわ、わかっている先生ね」
こうも言うオズマでした。
「いい先生ね」
「とてもしっかしていて何かと教えてくれます」
「そうした先生なのね」
「そうです、凄くいい先生です」
「そうした先生に出会えてよかったわね」
「そう思います」
「先生もいい人に出会えたら幸せだよね」
ハンクはこう言いました。
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