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幸福の十分条件
映し出されたもの
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て、思っていたより明るい。鉄製の床と壁、という内装も変わらなかった。
 雄二はその中央に、俯いたまま座っていた。とくに拘束はされていなかった。
「……ゆ、雄二」
 恐怖を押し殺して、俺はなんとか声を絞り出した。
 緩慢な動作で、雄二は顔をあげた。そして、なにも見なかったかのように顔を下ろした。
 彼の瞳には、なんの感情も灯っていなかった。
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