第19話大脱出、そして新たな愛剣
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間、彼の瞳は信念の炎を宿していた。その彼の目を見たリズベットはーーー何故か安心感に包まれていた。
「ありがとう、教えてくれて。・・・さて!明日に備えて早く寝ましょう!」
「ああ、おやすみ・・・」
それだけ言葉を交わし、二人の少年少女は眠りについた。
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2024年6月30日、第55層・西の山・竜の巣穴
「ライリュウ、そろそろよ!」
「ああ、やっとお帰りなすったぜ」
竜の巣穴で一夜を明かしたライリュウとリズベット。彼らは鞘から剣を抜きずっと待っていたーーーこの巣穴の家主の帰還を。
「しっかり掴まってろ!」
「ええ!ドンといっちゃって!」
昨日邪魔だからといって脱ぎ捨てた黒いマントを装備し、そのマントにリズベットが手をかけることを確認したライリュウ。彼は《無音の飛竜》の名を誇る剣を手に壁を足場にして思いきって跳躍しーーー
「悪いが帰りのフライトよろしくな!」
巣穴の地面に降り立った家主の装甲に突き刺した。その装甲に走った衝撃がダイレクトに効いたのか家主は高く、高く飛び立った。
「そろそろ出口よ!」
「う、うん・・・わかった」
出口を認識したリズベットの呼び掛けにライリュウは力なく応える。ライリュウは残された力を絞り出し剣を家主から抜き取り別れを告げる。
リズベットは周りの、二度目の空からの日の出を拝んでいた。
「ライリュウ!ほら、すごいでしょ!?空からの日の出!」
「・・・」
ライリュウに空からの日の出の感想を要求するリズベット。だがライリュウは無言でいる。あれほど元気溌剌にツッコミを決めていた彼があの巣穴の家主のドラゴンに乗ってからほとんど喋っていないことに疑問と違和感を覚えた。
「どうしたのよあんた、さっきからやけに無口じゃ・・・え"っ"」
いい加減気になってライリュウに質問しようと顔を向けたら理解した。ーーー青白くなったライリュウの顔を見て。
「気持ぢ悪い"・・・うぷ」
「酔ってる〜〜〜〜!?」
乗り物酔いーーー彼は乗り物に乗ると酷いと呼べるレベルの乗り物酔い患者である。ライリュウはSAOでの一年半とSAOに入る前の引きこもり生活の間、まったく乗り物に乗っていなかった。そのため自分の乗り物酔いは完全に記憶の中から消え去っていた。先程のライリュウとリズベットを乗せたドラゴン、「乗せた」という時点で完全に乗り物である。そのあと二人は使用可能となった《転移結晶》を使用して、第48層の《リンダース》の街に建つ《リズベット武具店》に帰還することになった。
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ライリュウside
第48層・《リンダース》・《リズベ
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