第19話大脱出、そして新たな愛剣
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ュウの剣を作るということもあり、渋々ライリュウのアイテムストレージにしまわれることになった。
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昼間の口喧嘩から三時間がたち、夜の9時。未だに帰ることのないこの巣穴の家主を薪に火をおこしながら待ち続けるライリュウとリズベット。
「ねぇライリュウ、あんた・・・どうして最前線で戦ってるの?」
「なんだよ?急に・・・」
突然口を開き質問をしたリズベット。彼女の唐突な質問に驚くライリュウ。
「あんた、他のプレイヤー達よりその・・・かなり不利じゃない?それなのになんで死と隣り合わせの最前線に立ってるのかなって・・・」
「不利?・・・確かにな」
不利ーーーライリュウの弱点、それすなわち、隻腕故に装備の幅が大きく限られていること。剣を持てても盾を持てない。本来なら隻腕の彼が《両手剣》を持つことすらあり得ないことであるのだろう。そんな彼が戦場に立つ理由ーーー
「理由はいくつかある、一つは・・・舐められたくないから、かな」
「どういうこと?」
「隻腕の・・・腕が一本しかない奴は攻撃の手数が足りない、弱い奴しかいない。そんなことないと思う。そう思ってる奴らに「隻腕の剣士舐めんな!」って言ってやるつもりだ」
隻腕の剣士ーーー剣士に限らず戦士達はフィクションの世界には沢山とは言えないが多くの隻腕の戦士が存在する。赤髪の大海賊しかり、巴模様の瞳を持つ忍びしかり、創作物の世界には腕を失っても尚、戦い続ける戦士が存在する。そんな戦士達とほぼ同じ特徴を持つこの少年、ライリュウもこの仮想世界の中ならばそんな戦士になれるのかもしれない。
「他には?」
「他には、《はじまりの街》で縮こまって腐ってくよりは・・・戦って、命尽きるまで戦って、この世界で生きた爪跡を残して死ぬ。何も出来ないよりは何かして死んだ方がずっと良い」
このSAOではHPが0になれば本当に死ぬ。そんな世界で何も出来ないまま死ぬことは、命は生きても心が朽ちる。それは生きている限り永遠の苦しみを己に与える。そんなものに堪えられる者はいないだろう。
「最後に・・・約束したから」
「約束・・・?」
「必ずこの世界を終わらせて現実に帰すって約束したんだ・・・《リトルギカント》に」
「!!」
《リトルギカント》ーーーこの世界で命を落としたライリュウのーーー今は亡き現実の親友達。彼らに再会した日に交わしたーーー今はもう叶わぬ約束。だがーーー
「あいつらはもういないけど・・・生きて現実に帰す約束はもうミラにしか果たせないけど・・・この世界を終わらせる。その約束だけは続いてる、まだ終わってない、終わらせない・・・!!」
この瞬
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