27話 パンドラボックス 2.15
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体からは物凄い発汗があった。
「ふう〜。多くの者に呼びかけて説得するには心が折れる。こんな厭戦状態だからこそ可能にした状況だった」
フロンタルは後方に控えるゼネラル・レビルに作戦終了を伝えた。
「ミズ・カーバイン。作戦は終了した。付きましてはあの球体を摂取をお願いしたい」
マーサはフロンタルの報告を聞き、上機嫌だった。
「よくやったわフロンタル。帰投してゆっくり休息を取って頂戴。今後も作戦は続くわ」
「了解した」
フロンタルとの通信はそこで終わった。マーサは艦橋でゼウスを見つめ、含み笑いを始めていた。
一方のフロンタルも自身の持つ携帯端末である数値の上昇を確認して笑みを浮かべていた。
「(フッ、この戦いでサイド3の絶望を、感情をパンドラボックスに蓄積されたか。今の力ではまだあの程度。ゼウスを用いれば、その波及範囲の拡大もさることながら、吸収もし易くなるに違いない。世界の願いの成就は近い)」
フロンタルはそう言いながらも、自身の生み出したシステムの利用条件の難しさを深刻に捉えていた。力の上限はもっと上のはずなのだが、今のところはこの程度しかできない。そのトリガーを見つけなければとフロンタルは試行錯誤していた。
* 地球 ニューヤーク カイ・シデン事務所 2.26
カイは各地から取り寄せたり、送られたりしてくる資料を片づけては自身の連載している手記の作成に追われていた。
傍にデスクを構えているミハルもそのアシストに四苦八苦していた。
「カイ〜!もう少し少なくならないかしら?これじゃあ原稿も落としそうになるし、エゥーゴやカラバの活動支援も滞るよ」
「っつたく。分かってるよ!だからこうも必死なんじゃないか!」
そんな激戦の中、ベルトーチカから通信が入って来た。
それに気付いたカイは傍にあるモニター型通信機をオンにして、目は原稿を入力するパソコンに向かっていた。
「何の用だ」
「何の用だって、あるからに決まっているでしょ?締め切りに追われているのは分かるけど、ビックニュースを貴方宛てに届けに来たのよ」
カイは無関心だった。しかしベルトーチカの次の一言でカイの手が止まった。
「ガエル・チャンが貴方に会いたがっているよ」
「・・・」
カイは深呼吸して、ベルトーチカにこう伝えた。
「2時間後、話を聞いていいか?」
「いいわ」
「それまでにこいつらに目処を付ける」
「わかったわ。それじゃ」
ベルトーチカの通信が切れると、カイは各雑誌社へ数本原稿の遅れの連絡を入れた。代わりにストックで用意した番外の原稿で手打ちにするように伝えた。
「よし!ミハル。これで荷が楽になったぞ」
「・・・最初からできるならそ
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