27話 パンドラボックス 2.15
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様なら分かるか?」
フロンタルはしばし考え、ある結論に至った。
「・・・ギレン閣下。貴方には感情がない。そして、生きる意思が欠けている。常在戦場。兵士としては一級品の精神構造だ。つまり死人だな」
ギレンは高らかに笑った。
「ハッハッハッハ、成程。それ程、生に執着ある方ではないからな。ただ野望の為に世捨て人なだけだ」
「・・・それが人を超えたと言う話だ。人は孤独を嫌う。しかし貴方はそれを受け入れて生きている。それは世間一般としては生きていない」
「フロンタルよ。貴様からそんな真面目な講釈を受けるとは思わなんだ。それでは一流の悪役にはなれんぞ」
ギレンの挑発にフロンタルは微笑を浮かべていた。
「生憎、私は情緒不安定なんですよ。様々な想いが私に集結している為にね」
「ほう。貴様が世界の総意と言う訳か。しかしかなり負の要因が強そうだ」
「中々良い回答を言ってくれるじゃないかギレンよ。さて、そろそろお開きとしよう」
シナンジュの機体が緑白に輝き始めた。
その姿にモニター越しでもギレンにはこれから起こる事が理解できた。
恐らく自分はこの世から消えることになるだろうと。
その時、シナンジュの右腕が爆発が起きた。
その衝撃で青白い光が霧散した。
「なっ!」
フロンタルは驚愕した。その爆発した原因を感じ取り、後ろを振り返った。
すると、先ほどのフロンタルと同様に緑白に輝いているヤクト・ドーガが居た。
フロンタルは無言でそのヤクト・ドーガを見ていた。
ギレンも表情を変えず、シャリアの乗るヤクト・ドーガを見ていた。
シャリアはフロンタルに吹き飛ばされてから、圧倒的な力の差に絶望を抱いていた。
このままではギレン総帥が想い描く理想、そしてそれに付いてきている数億の支持者が一瞬にして滅ぶ。
シャリアは慟哭の中でもがき、精神均衡が崩壊した。
彼の眼には何の情報も入らない。そんな最中、彼は体の内から暖かさを感じた。
究極の危機から人は希望、救いを求める。シャリアは只今、生命の究極の危機に追い込まれていた。
一層の事、死んでしまえば良いのにと感じていたが、死ぬことすら許されなく、唯瀕死が永遠と続く状態。そんな状況を打破したいと考えるのは本能だった。
究極の危機で反射的にすがる究極の救い、希望。それがシャリアのニュータイプ能力を覚醒させていた。
シャリアには意識はない。唯、感じる究極の危機の要因であるフロンタルを排除する、それを無我の境地で体の赴くまま動いていた。
そんな様子をフロンタルは感じ取り、不敵に笑った。
「フッフッフッフ・・・ここに来て、私の敵と出くわすとは」
フロンタルは笑みを一瞬で消し、片腕を失ったシナンジュをヤクト・ドーガと
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