27話 パンドラボックス 2.15
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にした。
その2人の間隙にフロンタルが入り込んでいた。元より、キシリアにフロンタルを紹介したのはマーサだった。マーサとの繋がりをフロンタルは保ったままだった。
フロンタル自身は多くは語らなかった。マーサの意思に付いて行くことで自分の目的が達せるからだった。そしてその思惑をマーサは知らない。マーサはフロンタルを侮っていた。ただの意思の持たない人形だと思っていた。
フロンタルはこの世界のオーパーツだった。それを持つマーサは世界の優位性は自分にある、そう考えていた。
マ・クベは傍のデスクに磁器を置くと、ため息を付いた。
「はあ・・・儚いものだ。1夜にして、1勢力がこの世から消えてしまう。今までの私の想いがこんなにあっさりとしたものとは」
マ・クベの後ろでマーサは鼻を鳴らした。
「フン、貴方達は状況に応じた合理性を常に求めて動いていたみたいだけど。私は結論を求めていたの。動くときは今よ。無為に頭を使い過ぎなのよ、庶民共は」
「確かにそうかもしれん。結論、ジオンの意思や連邦の意思、ひいては世界の意思を無視し、すべてビスト財団に帰属させる。昔も、今も、そしてこれからもビストが牽引していく。バランスを壊す革命家など必要ないわけだ」
「無い頭で考え過ぎなことを気付かせないと。ジオンもティターンズ、エゥーゴも要らない。連邦の様な傀儡が適当に世界を統治するに限るわ」
「戦争以前に戻すのか・・・」
「そうよ。ここまでかき回されるとは思いもよらなかったわ。これは単にビストの威光がいつの間にか軽んじられていた。兄のせいでもあるわ。いつの世も世界の均衡を保つ者はときの支配者、今はビストなの。それがビストに生まれた私の宿命」
マーサはギレンが居るであろう球体戦艦を見つめていた。
「ギレンは私の期待通り、あの球体を作り上げたわ。私の手引きとも知らずに・・・」
「ギレンを・・・出し抜いたのか・・・」
マ・クベはマーサの力に恐れた。ギレンを騙すなど並の芸当ではできない。
マーサはクスっと笑った。
「ええ。私はただ夫より、ギレンの欲するものを渡しただけ。それは私も欲しかったモノ。なら人に作らせた方が楽でしょ」
「・・・ッフッフッフ、大した支配者だ」
「ありがと」
マ・クベはマーサの戦略を褒めた。
マーサの意思は至って単純だった。世界は平穏で静かに限るということだ。そこにはニュータイプ等特殊なものは無用の長物と思っていた。マーサとマ・クベが話しをしている間にギレンとの戦いに決着間近となっていた。
シャリアのオールレンジ攻撃にフロンタルはシナンジュのサイコ・フィールドで全てはねのけていた。
その業はシャリアを驚愕させた。
「・・・な・・・避けていない。当たらない。バカな
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