27話 パンドラボックス 2.15
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シャリアはファンネルを使いながらも、その所属不明機を追撃していた。
既に、50機程の首都防衛のギラ・ドーガが失われていた。
普通はそれ程の撃墜が有れば、並の機体はガス欠になる。しかし、その機体は自身の推進機能や兵器をあまり使わず、撃墜していた。
その報告を聞いていたギレンは即座に司令部を遷した。ズム・シテイのある傍にある人工惑星艦に搭乗し、指揮を取っていた。
この球体はゼウスと呼ばれ、周囲をガンダリウム合金とサイコフレーム機構の傑作で先までの戦いで蓄財した資金を来たるべき将来の為に作り上げた代物だった。
極め付けは百人をも数えるニュータイプ、強化人間の砲撃手による数千と呼ばれる遠隔操作ビットと球体全てを囲うサイコ・フィールド。これで1個艦隊を造作なく沈めることができる。
そのような戦力を持ちながらも連邦と冷戦状態にあったのもフロンタル襲来のためでもあった。
「ついに、牙を向いてきたか終末の災厄よ」
ギレンはあらゆる情報網から、その未確認機の正体を看破していた。
そのためにギレンはフラナガン機関を総帥統括で研究を進めてきていた。
このゼウスには、ニュータイプが多く搭乗していた。
サイコミュ対策の仕掛けも万全だった。
この宙域より、少し離れたところにドゴス・ギア級の大型戦艦ゼネラル・レビルが鎮座していた。
この艦の所有者は連邦ではなかった。言わば私設部隊。その責任者はマーサ・ビスト・カーバインだった。
マーサはその艦橋で先方で戦っている未確認機の戦況を眺めていた。
彼女の傍の艦長席にはマ・クベが自前の磁器を磨きながら座っていた。
「戦況は圧倒的のようね」
「・・・そうですな。私の投資したギレンを倒す手段であるから問題ないはずだ」
アナハイムの試作機最高傑作であるMSN-06Sシナンジュを駆るフロンタルは現行のモビルスーツなど児戯に等しかった。何と言っても、シナンジュに内蔵されている<パンドラボックス>と呼ばれるサイコフレームの結晶。これに含まれている測定不能な無尽蔵エネルギーがシナンジュの力を更に引き出していた。
マ・クベはキシリアがギレンに粛正されたことにより、自身の敬愛する、目標とするものを失い自棄になっていた。3年前の空売りにより得た巨額な資金をマーサの野望に費やした。
「私らビストの上を往くに、ギレン如きでは超えられない。ビストの意思は世界の意思よ。今までの悲劇も、世界が痛みを知り、ビストの力を改めて知らしめるため。マ・クベ、貴方がキシリアを失った事は世界の意思で必然だった。そして貴方はギレンに復讐する権利が与えられた。これは私、ビストが保証するわ」
マーサはそうマ・クベに伝えると、当時精神的に均整が取りきれていない彼はマーサに素直に従うこと
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