27話 パンドラボックス 2.15
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する戦力だと。状況に応じてはそれ以上発揮することができると踏んでいた。
今まで攻略してきた基地のティターンズの戦力保有は大体50〜100機。中には旧式のモビルスーツも居た。出方を見れば、大体の戦力が分かった。それで攻略の可否を決めていた。
無論、シロッコの様な不確定要素がいつ現れるかは分からない。その時はすぐにでも撤収する心積もりでもいた。
30分後、カミーユからラー・アイムへ通信がもたらされた。
それをスコットが受け取っていた。
「前線のカミーユより入電です。敵基地通信施設完全破壊。敵が全て遊軍と化したそうです」
通信網が破壊された部隊は個々が孤立する。つまり、帰る場所を失った迷子と敵はなってしまっていた。こうなると敵の戦意というものが失われるに等しかった。
シナプスの戦い方は大体このようなものだった。なるべく敵味方問わず犠牲を最小に抑える戦い方。
シナプスはそれを聞くや否や、敵へ降伏勧告を勧める。
「ティターンズの諸君。貴官らの基地は既に破壊された。司令部も機能していない。通信を取れば分かることだ。貴官らは帰る家、守る家を失ったのだ。願わくば、戦闘を中止し投降されたし。選抜された貴官らならこの話を理解できるだろう。以上だ」
シナプスはオープンチャンネルで周辺へ今の話を放送した。
いつもながら、多くのティターンズが武装を解除し投降してきた。
その情報をシナプスが聞くと安堵した。
「やれやれ・・・これで、15箇所目の基地制圧だ。全く、地球規模で制圧していくだけでも時間が浪費する」
シナプスは艦長席に戻り、一息ついた。その様子にパザロフ少佐がコーヒーを入れてきて、シナプスに手渡していた。
「しかし、これで大方のヨーロッパ全域がエゥーゴの手に戻りました。あとはアジアです。そこさえ制圧すれば、ジャブローやダカールの連中もエゥーゴ、カラバを認めざる得ないでしょう」
「そうだな。お偉方の損得勘定は勢力図によって決まるからな。宇宙は未だ、ソロモン、ルナツー、ラプラスステーションとティターンズが健在だ。あちらはブライト君とシャアさんが何とかしてくれるだろう」
そう言うとシナプスはコーヒーに口を付けた。
ほろ苦い味だ。今の状況、心境にそっくりだった。
間もなく、シモンより友軍の信号をキャッチし、こちらへ向かってきているという連絡があった。
シナプスは不思議と思い、どの友軍かと尋ねた。
「ネェル・アーガマです。ヘンケン中佐が通信を求めております」
「わかった。こちらに回してくれ」
すると、ラー・アイムのメインモニターに大きくヘンケンの顔が映し出された。
「准将。戦い直後で失礼する」
「いいさ。何だいヘンケン君」
「ここより先の制圧は私らが請け負う
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