27話 パンドラボックス 2.15
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それを察したかのようにサイアムがこう伝えた。
「まずはそのルートの確保に努めなければならない。しかも極秘でな。親族に知られないように連邦政府高官と接触してもらいたい。カーディアス、マーサ共に、フロンタルの存在を知っては各々動いておる。出し抜こうとしてな。マーサは無関心過ぎるが、カーディアスはダイレクト過ぎる。それでは私の欲を満たせないし、人類に成長も望めない。目星はつけておる」
ガエルは雲上人の思考というものは理解しがたく、そしてきっと暇つぶしの様な些事にしか過ぎないだろうと思った。サイアムにその目星に付いて伺った。
「して、その高官は?」
「ジョン・バウアーだ。彼の組織したロンド・ベルというものは、対フロンタル用と睨んでいる。彼とのパイプを秘密裏に繋いでもらう。そのために会わねばならぬ人物がコレだ」
サイアムの目の前のモニターにある男が映し出された。その男にガエルは黙って頷いた。
「カイ・シデン。ジャーナリストという仮初を着た千の腕を持つ交渉人」
「・・・わかりました。まず彼と連絡を取るために地球へ向かいます」
「頼む。人類の未来はガエル、君の手に掛かっている」
そう言うと、サイアムは「話し過ぎた」と一言の後、スーッと寝てしまった。
ガエルはサイアムに託された希望を実現するべく動き始めた。
ガエルは現当主のカーディアスにも知られてはならないという所が悩みどころだった。
「カーディアス様にも知られてはならないところが、難点だな。仮にも私の主人。さて、どうしたものだか・・・」
* 地球 イスタンブール周辺 2.17 10:15
シナプス隊はイスタンブール郊外で周辺を監督するティターンズ基地を攻略していた。
この辺は紀元より、地下都市等優れた防空壕がおよそ数キロに渡って張り巡らされていた。
ラー・アイムの艦橋でシナプスが仁王立ちしながら戦況を見ていた。
色々な情報がシモンより矢継ぎ早にシナプスへ飛んできていた。
「カミーユ大尉が一人先頭に突出し過ぎています。キース、コウ両中尉も両翼にて、他のジムV隊より前に出過ぎています」
「スコット少尉!」
シナプスの大声が若いオペレーターを呼ぶ。
「はい!」
「両翼のジム隊に連携以上にコウとキースに喰らいつくように進軍しろと伝えろ。本艦も中央のカミーユに追いつくよう進軍する」
「ぜっ・・・前線を上げるのですか?」
「そうだ。生憎サッカーとは違ってオフサイドなど無いからな。カミーユの快進撃が奴らの戦意を奪っておる。好機だ」
「了解です」
シナプスはヨーロッパからの攻略戦より自身の戦力値を計算していた。カミーユ、コウ、キースの3人でティターンズの1個大隊に相当
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