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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第5話 遭遇
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体。男性はまんじりともせずに天井を凝視し続けており、黒を基調とした服にダラリと垂らした腕と足が男性を生き物ではないことを決定付けている。
「これって人形?……」
サソリが人形を操ると言っていたけど、こんなに不気味な人形を操っているのかな?
勝手に某放送局で流しているかわいい人形を想像していたが、これは明らかに人気が出なさそうな感じだ。
「良く出来てるわ。この腕なんて本物の人間みたいな」
カチャ!
かちゃ?
人形の腕がパカッと開いて針がマシンガンのように発射されていき、佐天の目の前を通過した。
「ぎょわああああああ!!」
突如として起こった非日常に人形から腕を慌てて離すと手近にあったクッションで微かに暴れている人形の腕を抑え込んだ。
「あー、びっくりしたあ」
クッションから目線をずらして人形を見ると反動で機械的に開いた顎をそのままに首を傾けて佐天を見続けていた。
じー
じー
じー
じー
こ、怖い……物理的に怖いが、精神的にもかなり怖い。というかどっかから現れたんだ?
「これは、私を狙う敵の勢力かもしれない!」
眼を細めてじろじろと見るが、でも下手には触らない。
ふと、足元にサソリの巻物が開いているのが映る。
「まさか、この巻物から?」
いやいや、二次元から三次元の物体を呼び出せるはずが……ん!!
待てよ、これって魔法陣に怪物?
「だとすると召喚士じゃん!ほえぇ、ここまで科学は発達したんだ」
巻物に手をついてみるが、当然ながら何も起きない。
巻物に書かれている字を見る。うわー、パソコンでしか見たことないような行書体だ。
こういうのを達筆というのかしら、ミミズが這ったような字にしか見えない。
「用はないのでお帰りください。さあ、早く巻物に帰ってください」
と頭をついて手を上に持っていき、拝むような動作をする。
しかし、いまだに顎が外れているかのように佇んでいる物体はうんともすんとも言わない。
「今度、サソリに会ったら訊いてみるか。さすがに部屋に置くのにはセンスが悪い気が」
でも、動けば罠が発動する。厄介なものを病院から押し付けられたもんだ。
取りあえず、座布団を緩衝材にしながら慎重にズルズルと部屋の隅に追いやり、顔の部分にタンスからタオルを取り出して被せる。
これでオシャレなインテリアになって……いくことはない。ダラリとはみ出る腕と足。
「仕方がない。お主にはバスタオルをかぶせてあげよう」
と仰々しく言ったところでバサッと人形にかぶせる。
なんか悪いことを隠すような感じだな……
さて、人形は無事に隠せたが何かパソコンで重要な情報を開いた気がする……あっ!!
「レベルアッパーみたいなのを見つけたんだ!さてさて」
佐天は自分の音楽プレイや―にそのレベルアッパーらしきものをダウンロードした。

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