第5話 遭遇
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ない巻物に対して、アニメや漫画等で収集した情報を総動員して中身を想像する。
「いや、持ち主のサソリに持っていくべきかも……で、でも」
もしも財宝の在処だったらと考えると欲望は止まらない。気になっている服を買って最新モデルの携帯も……へへへ
「でもなーあれ?そういえばサソリも聴いてこないところを見ると忘れているのかも」
何度も開こうとするが、良心の呵責に悩み続けている。
「一応、文書は無事か確認だけでも……やめた。今度行ったときに訊いてみるという形で」
佐天は、巻物から手を放しパソコンを起動していつも利用している曲ダウンロードサイトへと移行し音楽プレイヤーに曲を入れようとしていた時に、バランスを崩して椅子から転倒していた。開いてページのある部分に転倒の衝撃でマウスポインタが移動すると、リンクが貼られており、そこには背景が黒塗のページに唯一文。
TITLE:LeveL UppeR
ARTIST:UNKNOWN
「何これ……?」
それは噂だけの産物が目の前に突如として出現した。
そこに倒れたイスが拍子となって巻物の封が解かれ、煙がモクモクと立ち上り、佐天の部屋には黒髪の男性が突如として出現した。
「ん?!!きゃああああああああああ」
どこから?一体どこから湧いたのこの人?
顔面真っ青で宙に浮いているが次の瞬間には重力の影響でガシャンと佐天の部屋の床へと崩れ落ちた。
佐天は男性に恐る恐る近づいてみる。
黒髪の男性は、人間みたいなのだが人間でないような雰囲気を纏っていた。
ところどころに真っすぐな線が入っており、人としてはありえない関節を無視した倒れ込み方をして床へと広がった。
よくテレビでかわいい人形の劇や人間みたいにリアルなロボットの開発等があるが。
人間というのは人間に形が似てくれば親しみを覚えるらしい。虫よりもサルの方が親しみやすく、サルよりも人間と言った具合にだ。
だから、ロボット工学の発展の功績にいかに人間に近づけるかの研究が続けられている。
しかし、ただガムシャラに人間に近づければ良いものではなく。
近づく中である種の恐怖というのが出てくる。
専門家の言葉で言うならば「不気味な谷」というものが存在する。
人形やロボットはある程度であれば人間に近ければ近いほど私たちは親しみを覚えるのだが、近づけるに当たって一般の人間が見たら、不意に何かが「おかしい」と思った時に一気に親しみから不気味さが強くなる領域がある。
これをうまく使った映画としては「ゾンビ」が挙げられるだろう。
人間に限りなく近いが、人を襲い、銃で撃たれても痛がる素振りを見せない彼らに不気味さや怖さを感じるのには、この「不気味の谷」が関係している。
佐天の眼の前に現れたこの黒髪の男性も一種の不気味さを持っていた。人に似ているが動ない瞼、身
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