第5話 遭遇
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めの塔なのか?取りあえず高いところへ移動して一望してみるか」
病院の屋上から飛び上がって、近くのビルに手を掛けて更に上へと移動していく。近くにあるビルの壁に足を付け、チャクラを集中するとスタスタと壁と垂直になって走り登っていく。
「平面で上りやすいが、窓は避けていた方が良いだろう、と」
サソリはガラスで透けるのを防ぐために、コンクリートの壁をヒョイヒョイとあみだくじのように歩いていく。
「うーむ、どう考えても窓が多いな。罠が用意されているかもしれん」
サソリの脳裏にガラス窓を突き破って忍が黒い塊となって攻撃してくる仮想映像が流れた。
用心は怠らない。
今歩いている壁は大丈夫か?
とチャクラで吸着してある足元を叩いてみる。
「かなり硬い物質で出来ているみたいだ。これなら大丈夫だろう」
歩みを進めると目の前に長方形の物体が見えてきた。
「ん?」
サソリは警戒しながらゆっくり音を立てずに周り込むように長方形の物体に近づいた。
♪〜
何やら鼻歌が聞こえてくる。
「今日も汗水垂らして働くのよ〜、帰りゃ女房と娘が待ってんだ〜」
歌か……チャクラを感じないから幻術の類ではないか。
長方形の物体に乗っているのは作業着姿の中年男性だった。窓をきれいに清掃している。
「ありゃ!あんちゃん!こんなところまで登ってくるなんて能力者かい?」
「ん、ああ」
「そろそろ下校時間だから家に帰んな。能力者として訓練するのもいいが休むことも肝心だぞ」
サソリを能力者だと思って声を掛けたらしい。
ひとまず訊いてみるか……
「おい、大蛇丸を知っているか?」
「おろち?なんだペットの名前かい、いやー見てないね」
男性は怪訝そうな顔をするとペットの話だと思って言った。
末端の人間は知らないか……
「なあ、ここから出るにはどうしたら良い?」
「出る?許可書がないと出れんはずだぞ。無断で脱出するってんなら上に見つかる」
「上?」
中年男性が指を差した方向を見る。
「上にチカチカしているのが見えるだろう」
黄昏の時刻の空にチカチカと点滅を繰り返す何かがサソリの視界に見えた。
「ここの学生ならあれに見張られているから、脱出は考えんほうが無難じゃ」
「あれは何だ?」
「さあね、偉い人が造って、みーんなあの機械が決めてんだ」
「機械?……」
「そうだ、あれが全て決めてんだ。明日の天気から実験の結果と運命までも」
「運命……」
「そうだ。運命さえも機械に決めてもらったんじゃあ、人間も終わっちまうんかな。じゃあな」
「ほう」
長方形のゴンドラはサソリ進行方向とは逆に下降していった。
サソリはそのまま前進していく。
運命さえも決める機械?興味深いな
サソリの後ろ姿を見ながら、中年男性は思う。
「少し独特の子じゃな。あれを知らんとは
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