暁 〜小説投稿サイト〜
SAO二次:コラボ―Non-standard arm's(規格外の武器達)―
chapter1:Ticket to a new world(新たな世界への切符)
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喋っている中、ツインテールの少女が寂しそうに口を開く。


「かなりおっきめのクエストでしたし……アレ以上の難易度の物となると、早々実装はされませんよね」


 行き成り何故そんな事を呟いたのかと、一瞬ばかり沈黙が走る。
 しかし、里香は何を言いたいのか気付き、物憂げに息を吐いた。


「あ〜……なるほどね? 歯ごたえのあるクエストのクリアと、一区切りつけちゃった時に来る喪失感が、一遍に襲いかかっちゃってるわけ」
「確かに何か区切り付けちまった感じだしなぁ。コレからのALOがつまらねぇ、何てのは流石にあり得ねぇだろうけど……」
「ちょっとした“穴”が開いた感じがあるってことね。やる事やり切ってしまって、チャレンジできる要素が無くなったから」


 彼等の言う通り、エクスキャリバー入手クエストはALOの中でも、難易度でも重要性でもかなり注目されていたクエストで、今まで様々なクエストに手を付けた上にそれをクリアしてしまったのさから、一種の虚脱感―――俗に言う『燃え尽き症候群』を味わってしまっているらしかった。

 遼太郎が語った様に、まだ見ぬ他者とのコミュニケーションや、まだ手を付けて居ないちょっとした要素もあり、コレからのゲームプレイそのものが詰まらなくなる事は無い。
 しかし未知なる事、大きな壁への挑戦という、男女問わず引き付けられる魅力が少々削られてしまう事には違いなく、少しの間は詩乃の言ったような『穴』を埋められないだろう。


 ちょっとした事でもいい、何か刺激が欲しい。
 彼等は共通的に、そういった思いを抱いているのだ。


「フフフ……」
「え……アンドリューさん?」


 すると―――そんな風に寂しそうな、或いは苦笑を浮かべる彼らへ、何故だかアンドリューは共感ではなく意味深な笑いを向けてくる。

 素っ頓狂な顔をする一同を代表して、明日菜が彼に問い掛けた。


「そう言うと思ってたんだよ。最近怒涛の勢いで色々手を付けて、エクスキャリバー入手クエストまでクリアしちまった。そんなだからお前らも流石にそろそろ、もっと新しい刺激に飢えてくる頃合いじゃあないか……ってな」
「アンドリュー、お前まさか……!」


 身を乗り出した和人の言葉をアンドリューは手で留めると、ニヤリと笑ってカウンターの下へ手を伸ばし、其処から一つのソフトを取り出してきた。


 それは商品名や注意書きが“シール”で貼られており、その下にはずらっと英語が並んでいる、明らかに日本制ではないゲームタイトル。

 差し出されたそれを和人は手に取り、彼の手元へ皆の視線が必然的に集まる。


「“Non-standard arm's” …………『ノン スタンデッド・アームズ』、か?」
「前までは知る人
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