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機動戦士ガンダムSEED編
第25話
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ハイ、ストップストップ。目的地に着いたから二人共話は後にしてちょうだい」


 詰め寄ってくるキラにどう答えようかと思ったが、歩みを止めたシモンズが話に割って入ってきたお陰で事なきを得た。

 ふぅ、危ない危ない。まさか笑ってしまってたとは、もっと気を引き締めとかないと。
 ……言えないような理由じゃないんだが、何か気恥ずかしい内容だし、要らぬ誤解を生みそうで言う気にはなれないんだよな。後でまた問い詰められてもどうにかはぐらかす方向でいこうかな……。
 
 そこで思考を止め前を見ると、シモンズが目の前の扉を開け此方も入るよう促す。それに従い扉の奥へ進んでいくと───


「これって……」


 目の前の光景にキラは驚きの言葉を呟いている。だがそれも当然だろう。

 この、所狭しと並んでいるGシリーズと酷似したMS達を見ればな。


「“MBF-M1 M1アストレイ”。モルゲンレーテ社製のオーブ軍の新型MSよ。

 ヤマト少尉にはこのMSに積み込むサポート用のOSの開発に協力してもらいたいの」

「OS開発の協力──?

 ……あのMSはまだOSが完成してないんですか?」


 そうキラに問われたシモンズはM1アストレイに目を向けながらその一言に思うところがあるのだろう。痛い処を突かれたという風に溜息をついている。


「ええ、残念ながら未だ完成の目処は立っていないわ。元々コーディネイター用に開発された物をナチュラルにも使えるようにするのはなかなか大変な事なのよ」

「……だけど、どうして僕なんですか? それに、このMSは一体何の為に──」






「この国の守りの為だよ」








 突然キラの疑問に答える形でこの場にはいない筈の女性の声が聞こえた。それに驚いたキラとシモンズの二人は声が聞こえてきた方へ振り向く。
 オレもそれに倣い二人の目線の先を見ると、そこには険しい顔で此方に歩いてくるカガリの姿があった。


「お前も知ってるだろ。オーブの『他国を侵略しない。他国の侵略を許さない。他国の争いに介入しない』という理念を。

 これはそれを守る為の力だ。オーブは元々そういう国なんだ。

 ──いや、そういう国の筈だった。父上が裏切るまではな」

「えっ……」


 カガリの発言にキラはどういう意味なのか計れず困惑している。
 対してそんなカガリに、手の掛かる幼子を宥めるようにシモンズが語りかける。


「まだそんな事を仰ってるんですか。ヘリオポリスの件はウズミ様もご存知なかった事なんですから。それに、責任ならもうとったでしょうに」

「黙れ! 国の最高責任者が知らなかったで済むと思っているのか? 例え本当だったと
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