マブラヴ
1230話
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「アクセルさん、ちょっと待って下さい!」
イザークとオウカの呼び止める声が聞こえてくるが、俺はそれを無視して影のゲートへと身体を沈めるのだった。
「ふはははははは! なるほど、イザークとオウカがな。確かにあの2人は性格が正反対だ。……いや、他人への態度はともかく、自分に厳しいという面では一致しているから正反対とも言えないか」
俺の話を聞いたエヴァが、愉快そうに笑う。
ここは魔法球の中だから、エヴァが幾ら笑っても周囲に迷惑を掛ける事はないだろう。
「お前はそうやって笑ってるけどな。あの2人を教官としているエルフ達にしてみれば、笑い事じゃないんだぞ?」
「何を言ってる? そもそも、アクセルがイザークとオウカの2人を教官にしたんだろう?」
「それはそうだが……」
言葉に詰まると、それを待っていたかのように茶々丸が姿を現す。
「アクセルさん、マスター。紅茶です」
「悪いな、茶々丸。……うん、美味い」
「ありがとうございます」
ペコリと頭を下げる茶々丸を眺め、最近ますます人らしくなってきたと感じる。
まぁ、エヴァの世話や技術班の世話をしていれば、どうしても感情が発達するのだろう。
それこそエキドナの自我が確立した時のように。
そう言えば、エキドナと茶々丸は意外と仲がいいらしい。
自分達の出身が人ならざるものであるというのもそうだし、技術班の暴走を止める時に協力する時もあって、話す機会が多くなっているんだとか。
その調子でどんどん仲良くなっていって欲しいものだ。
エキドナは上司や部下といった者はいるが、対等の友人は少ない。
ラミアがいれば話は別だったのかもしれないが、いない以上は何を言っても始まらないだろう。
そういう意味で、茶々丸がここにいるというのは嬉しい誤算とも言えるべきものだった。
「……さて、それで宝具の方の研究はどうなっている?」
紅茶と一緒に茶々丸が用意したクッキーへと手を伸ばしながら、未だに面白そうな様子のエヴァに尋ねる。
その言葉に、一瞬前まで笑っていたエヴァの表情が若干不愉快そうなものへと変わる。
「まだ何も分かっていないというのが正直なところだな。お前が最優先で調べて欲しいと言っていた、あの鍵剣も全く使い方が分からん」
「そうか、エヴァでも無理か……」
「言っておくが、こういうのは元々時間が掛かるものなんだからな。特に神代の代物ともなれば、それは顕著だ。私達の世界にある魔法界のアリアドネー辺りに持って行っても、恐らく何も分からないだろう」
「安心しろ、別に責めている訳じゃない。お前がシャドウミラーの中で最も魔法に詳しいというのは理解している」
フェイトも魔法については詳しいが、実戦ではなく知識となれば
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