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ホテル
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「同じなんだ、結局はな」
「結局は」
「表と裏が替わってるだけでな。一緒なんだよ」
「ええと」
 話がこんがらがってきた感じがしてきたので頭の中で整理しながら答えた。
「化け物とかとですか」
「その通りだ。そういう意味で人間も化け物も一緒なんだろうな」
「やっぱりそうなりますか」
「何か嫌か!?」
 すぐに尾松の顔を読み取った。見れば暗澹たるものになっていた。
「俺達と連中が一緒だと」
「やっぱりいい気はしませんよ。一緒とか言われると」
「まあそうだろうな」
「否定されないと余計に」
「聞け。聞きたければな」
「じゃあ聞きます」
 ここまで来て聞かないわけにはいかなかった。尾松は彼の話を聞くことにした。
「この事件だって人がやるものじゃないな」
「そう言う人もいますね」
「常識で考えたらな。だが実際に人がやった」
 そこが肝心なのであった。だからこそ尾松は語る。
「化け物がするようなことをな。逆にな」
「はい」
「俺達が今いるこの世界にも裏から出て来た連中がこっそりと暮らしている。そんなもんさ」
「この署にもいますかね」
「いるかもな」
 またしれっとした感じで答えてきた。
「少なくとも俺は違うぞ」
「そうだったら今頃私は御飯でしょうかね」
「だからな。そうなるばかりでもないんだ」
「!?」
「また言うぞ」
 山根は話を繰り返す。
「この街には何でもいるんだ」
「ええ」
「だからな。表でも裏でも」
「有り得ないことが起こると」
「そういうことだ。それじゃあな」
 山根は煙草を消して席を立ってきた。
「署長に報告しに行くか」
「ええ。それにしても」
「何だ?」
 話は最後になった。
「今度こういう事件があったら相手は何なんですかね」
「さてな」
 山根はそこまではわからないといった顔を見せてきた。
「今度こそ化け物かもな」
「そうなんですか」
「わかったか。じゃあ行くぞ」
「それで化け物だったらどうなるんですか?」
 それが気になってつい問うた。
「その時か」
「ええ、その時は」
「人がやったことになって終わりさ」
「・・・・・・そうなんですか」
「表に出すわけにもいかないだろ?」
 扉に向かいながら言う。後には尾松がついてきている。
「だからそう処理するんだ」
「そうなんですか」
「まあ、表に出ている事件の幾つかはそれだ」
 山根は平然と言う。
「わかったな」
「じゃあそれに遭わないことを祈ります」
「それが適えばいいな。じゃあ行くか」
「はい」 
 こうして二人は部屋を出た。後に残ったのは誰もいな
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