Chapter 5. 『あんたを倒して俺は帰る』
Episode 32. The End of Imagination
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る。続けざまに振るわれる凶刃を弾き飛ばし、距離を取ることなく縮地で死角に入り込み、反撃を仕掛けていく。
だが、いくら縮地で横や後ろへと回り込もうと、嵐のような乱撃を叩きつけようと、イージスの盾は確実に俺の刀や打撃を防いでくる。時たま鋭い反撃が飛んできて、際どいところを掠めていく。自分の縮地で相対的に速度が上がったそれを躱し、受け止めつつ、俺は沸騰する思考回路を懸命に働かせた。
――やっぱり、コイツの自動防御ってのは本物だ。
左右後ろ、真上から下段攻撃まで、完璧に防いできやがる。
《残月》を放ってから縮地を使って、疑似的な挟み撃ちを仕掛けても、盾が同時出現してあっさり防がれた。貫通ダメージも全くねえ。
だが――。
「っらぁ!!」
右側ギリギリ、盾のカバー範囲の一番外のラインに、刺突を叩き込む。茅場は盾を強振することでそれを防ぎ、素早く翻身してこっちに向き直った。件の盾は、出てこない。
だいたい掴めてきた。
真正面、いや、こいつの盾が届く範囲でなら、イージスの盾は出てこねえ。
自動防御ってのが本当なら、わざわざ俺の攻撃位置に応じて自分の意志で出したりひっこめたりしてる可能性は低い。それが出来るなら、キリトにあと一歩で敗北しそうになることも、虚閃をモロに受けて正体をバラすこともなかったはずだ。
つまり、こいつの自動防御には、感知範囲がある。
おそらく、盾の初期位置から腕だけを動かしてカバーしうる範囲を超えた場所に俺が攻撃を仕掛けたとき、イージスの自動防御が発動する。逆に言えば、コイツの盾が届く範囲になら、あの赤い盾は出現しない。
そして、茅場はその範囲以外への警戒を意図的にシャットアウトすることで、俺の縮地を使った攻撃に確実に反応できるようにしている。騎士らしい「正々堂々正面からの攻撃」以外を受け付けない、正面戦闘を強いるスキル。それがイージスの意味ってヤツだろう。全く、騎士にしちゃあズイブンとセコい能力だ。
けど、それだけに脅威だ。
意識を自分の正面だけに集中してるだけあって、俺の斬撃は全て防がれる。くり出されるカウンターも、段々危ないトコを突いてくるようになっている。このままじゃ、いずれ俺の身体にクリーンヒットがブチ込まれる。
考えろ、考えるんだ。
今まで見てきたコイツの戦い。付けてきた自分の戦闘技術。持ってるスペック。それら全部をつぎ込めば、どっかに道はあるはずだ。
どこかに必ず、奴の防御を躱す方法が――。
防御を、躱す?
――それだ!
閃きに従い、連撃の手を止め縮地で一度距離を取る。代わりに刀を掲げ、
「――【恐怖を捨てろ。『死力』スキル、発動】」
HPがレ
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