Chapter 5. 『あんたを倒して俺は帰る』
Episode 32. The End of Imagination
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「……記憶の映像化に、自動防御、だと……?」
茅場が告げた二つの真実、それに俺は驚愕した。
記憶を引き抜かれてるってのは俺の読み通りだった。十九層のボスの姿。俺が見知った虚や死神の技に似たスキル。六十一層で使われた空中歩行。その存在はやっぱり偶然なんかじゃなく、カーディナルの仕業だったんだ。
だが、それを映像化され、茅場にまで見られているとは思わなかった。今まで経験したすべての事、おふくろが死んだ時の記憶、ルキアや井上を助けに行った記憶、尸魂界で、虚圏で、空座町で戦ったすべての記憶を、茅場は盗み見やがったんだ。
他の連中とかけ離れているであろう俺の記憶を、コイツはどんなことを考えながら見ていたのか。
研究資料として、生真面目に見た?
映画のように、気晴らしに眺めた?
アニメかなんかみたいに、笑顔で鑑賞した?
どれであっても、俺はコイツを許せる気がしねえ。元からそんな気なんざなかったが、今のでさらに深くなった。殴るどころじゃ気が済まねえ。速攻で叩っ斬って、この世界から叩き出してやる。
けど、それを阻むのが、二つ目の真実。奴の持つ「自動防御」の存在だ。
確かに、最後の一撃を防いだとき、アイツは俺の方なんて見ちゃいなかった。本当に反応できなかったのかまでは知らねえが、それでも後ろを見ることなく斬撃を防いできた以上、その「自動防御」ってのは本物の可能性が高い。
タダでさえシステム的不死のせいで攻撃が通らねえってのに、これじゃヤツに剣を当てることもできないじゃねえか。苛立ちが腹の底からぐつぐつと湧き立ち、食いしばった歯を軋ませる。
「……死神代行、黒崎一護君。君は本当に興味深いプレイヤーだ。私が見た記憶の断片の中の君もそうだが、この世界に来てからの行いについてだけでも、私の関心は尽きないよ」
余裕のつもりか、さっきまでの無表情の上に微笑を重ね、茅場は言葉を続けた。
「本来回避どころか視認すら不可能な速度の攻撃を防ぎ、如何なる防御も絶妙な剣捌きで潜り抜け、そしてどんな逆境でも闘志を絶やさない。
こう言うとなにやら物語の勇者のようだが、私にとって一護君とは、まるでジョーカーのような存在だと思っていたよ。管理者であるはずの私の掌からはみ出し、思いもよらない事をやってのける。柄にもなく理屈ではない感情で、私はそう感じていた」
そして、その考えは正しかった。どこか満足そうな表情で、茅場はそう付け加える。
「最初に興味を覚えたのは、ソードアート・オンライン開始から二千時間後、十九層の攻略が開始された時、新規プログラムの被験者としてカーディナルが君を選んだときだった。
事実は小説よりも奇なり、という言葉があるが、ならばネット上の伝承だけではなく、生きた人間で
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