2話
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は振り返って、ぺこりと頭を下げる。
「ここを水で貯めるから、まず掃除してるんだ」
「っへ?」
素っ頓狂な声を黒ウサギは上げた。
彼が言ってる事を、一瞬理解が出来なかったのだ。
期待に震えながら黒ウサギは問う。
「ほ、本当に出来るんですか?」
「ああ。私ならそれが可能だ」
彼女は幾分迷うような表情を浮かべた。黒ウサギは、足元にいる子供達を見下ろす。
彼等彼女等も、黒ウサギを見上げていた。それを見た彼女は、振り切るように頭を振る。
「皆はウースさんの手伝いをしてください。私はジン坊っちゃんを読んできます」
子供達に指示を出すと、彼女は屋敷に向かって歩き出す。子供達も、黒ウサギの指示通り貯水池に向かう。
貯水池は広かったが、20人ほどの子供達と20体程の力場の従者を連れたウース達は、それほど時間を掛けずに綺麗にした。
程なく、ジンを連れた黒ウサギが現れた。
貯水池の前に子供達が集まっている。ウースは、貯水池の中心にある柱の台座に居た。持っていたバックを地面に置き手を入れている。
「ジン坊っちゃんは、ここで待っていてくださいね」
「解かった」
ジンの返事を聞くと、ウースのいる台座まで軽々跳躍する。
(へぇ)
黒ウサギの跳躍能力を盗み見たウースも、心の中で感嘆の声をあげた。
彼女は軽々飛んでいるが、ジンが立っている場所から台座まで、それなりの距離がある。台座までの続く橋がある程度には。
黒ウサギが台座につくと、ウースもバックから顔を上げた。
「やぁ、貯水池の中心はここで良いか?」
「YES! その通りでございます」
彼女の肯定を得ると共に、ウースはバックからある物を取り出した。
「…………えっと、それが水を出す秘訣でございますか?」
黒ウサギは不審げに声を掛けた。
彼女の反応も無理はない。ウースが手に持っているのは何の変哲もない唯のビンだったのだから。
「その通りだ。…………まぁ君が怪しげに思うのも無理はないか」
片手にあるビンを見ながら、彼は中心に座る。台座にビンを立てた。
「まぁ、見ていてくれ」
長い杖を短めに持って、台座に向ける。
「ストーン・シェイプ」
詠唱が終わると、台座の石組みがビンを包み込むように変形した。ビンは完全に固定されている。
「あとは仕上げをごろうじろ」
ビンから栓を抜いた。ウースが何か呟くと、ビンから絶え間なく水が溢れ出した。
「わぁっ」
嬉しそうな黒ウサギの声が漏れる。
すぐに水は溜まっていき、屋敷や別館の方の水路に流れていく。
それを見たウースは黒ウサギに向き直った。
「どうかな? 期待に沿えたと思うが」
「す
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