第八章 反転
第11話 セカイノハザマ
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上条「………ん?」
ゆっくりと目を開け始めた。
この時、ようやく自分が地面に寝転がっているのが分かった。
どこか夢の続きのような、そんな気がしてならなかったが、怠く伸し掛る身体をなんとか持ち上げて身体を起こす。
少しずつ脳が働いていき、目の前の光景を見て、一瞬で覚醒した。
上条「なんだ、ここは………っ!?」
それは、
目の前が真っ白だった。
上も下も右も左も前も後ろも辺り全てを見回しても。
全てが真っ白だった。
どっちが北でどっちが南も分からない。どこまでが地平線かも分からない。
本当は狭い部屋に閉じ込められているのかもしれないし、とてつもなく広く広がっているのかもしれない。
ここには、自分と白い地面や空以外何も無かった。
『線』という『線』も無かった。
どうやって自分がここに座っているのかさえも疑問に思うぐらいーー
ーーここは、怖かった。
無意識に足が震えてくる。立つことすら拒んでくる。
本当の意味で、ここには何も無い。
ここが何なのか聞きたくても人がいない。
手掛かりを探そうにも『白』しかない。
どういうわけかポケットに入っているはずの携帯もない。
お化けや幽霊など比にならないぐらい怖かった。
それでも恐怖を乗り越えて立ち上がる。
前に進まなければ何も始まらないから。
そう自分に言い聞かせ、ゆっくりと一歩前へと踏み出したーー
ーーその時だった。
「久しぶりだね」
背後から、声が聞こえた。
上条は今まででこれ以上無いくらい恐怖を感じた。
だって、先ほど辺りを見回した時″誰もいなかった″ではないか。
それも、久しぶり……?こんな空間で顔見知りと会うと言うのか……?
色々な事が思い巡らしていく。
それでも恐る恐る振り返った。
そこには、″あの子″がいた。
上条「りん、ね……?」
凜祢「久しぶりだね、当麻」
死んだはずの、そして『石』の中にいるはずの園神凜祢がニコッと微笑んで立っていた。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
「あぁ、無理」と上条は心の中で呟いた。
幾ら考えても何がどうなっているのかが理解出来なかった。
頭がパンクしそうなので早速聞いてみた。
上条「凜祢……だよな?」
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