プロローグ
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候補生に脱落者を出す事は不利益しか生まない。素行に問題があっても士官としてそれなりにやれるなら任官拒否も退校も認めなかった。
コリアンはやる気の無い者は周囲に悪影響を与えると経験から知っていた。周囲に被害を与える前に辞めさせるべきだと進言した。それがシトレの不興を買った。
「二度と私の前に顔を出すな」
人事発令通知を机に叩きつけるとシトレはコリアンにそう言った。
宇宙暦787年、ヤンやラップ達の教育修了に伴い教官の任を解かれたコリアン・ミンチは少佐としてエル・ファシル警備隊に配属された。
「ミンチ少佐、これからよろしく頼む」
「はい、幕僚として閣下の補佐と職務に邁進する所存です」
堅くなるなと笑顔でコリアンの肩を叩く上官のリンチ少将は、次期宇宙艦隊参謀長と言われるドワイト・グリーンヒルの秘蔵っ子で、何千万人も居る同盟軍の中で数百人しか居ない少将に抜擢され若手の出世頭として著名人だ。
主席幕僚のランドリー・ポーク准将は規律を重んじる人物で、コリアンの着任に対して助言をしてくれた。
「帝国軍は強い。辺境の警備隊何て一捻りする強さがある。貴官もイゼルローンで経験しただろうが、決して油断をするな」
「はい、ポーク准将」
実戦経験者であるコリアンはその言葉の重みを確りと捉えていた。
同盟軍と違い、時には狂信的に玉砕するまで帝国軍は戦う。それは帝国軍には皇帝陛下の下で戦うと言う正義が精神的支柱としてあるからだ。
(国防の最前線か)
コリアンは前線に帰って来れた事に感無量だった。
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