第10話 秘密の昼食
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いらない。掃除の結果にもよるが、一般的な小学生の月額の小遣いを毎朝給付させるつもりだ。金を貰えると有れば川神も手を抜かなくなるだろうし、昼食も浮かせるために、弁当も用意した。そこについても、おかずの一品二品程度も選択肢を与えてな」
「流石は士郎さんですね」
「飴と鞭は基本だもんね〜」
士郎の抜かりなさに、冬馬と小雪は何時もの様に褒める。
「・・・話は変わるが、九鬼財閥に物騒なやり方で訪ねて来た女について聞きたいのだがな」
「アルバさんか。一応話には聞いていたが悪かったな、結構気分やで好戦的な所もある人なんだ」
士郎は本当に申し訳なさそうに謝る。
普段は大人らしい立ち振る舞いだが、何か閃くと凛やイリヤの様に悪乗り全快で悪戯に全力を駆ける所がしばしばあるからだ。
「そうか。それにしても相当な腕前なのだろう?回避に専念されていたとはいえ、あのヒュームの攻撃をすべて躱しきられたと聞いているのでな」
「ヒューム卿の実力を目の前で見た事が無いから何とも言えないが、間違いなく世界で一二を争うだろうな。少なくとも俺は勿論、川神よりも強いだろうさ」
「何とそこまでとはな。だがそうであるなら、ヒュームの攻撃を躱せたことにも説明が付くと言うモノだ」
英雄は士郎の言葉を疑うことなく感心する。
士郎は嘘もついていないが、英雄もある程度の読心術を身に着けているのか、疑わなかったのだ。
まぁ、それ以上に士郎への信頼が高いのもあるだろう。
そこへ、ユキが自分の弁当のおかずを士郎の口元へと近づける。
「シロ兄ぃ、あ〜〜ん!」
「はいはい、あーん」
ご機嫌な小雪のあ〜んを普通に受け止める士郎。
一見すれば恋人同士がやる様な行動なのだが、普段から唐突に小雪は士郎にこの様にするので慣れている。
そして周りもこれが初めてでは無いので、普通に受け入れる。
しかし今日は普段と違っていた。
「そうだ!」
「如何した?」
何時もの様に突然閃く小雪。
「そう言えばあずみ、何時も疲れてるから僕があ〜んしてあげるよ♪」
「また唐突な・・・」
「何時もの事ですけどね?」
「・・・・・・・・・・・・」
小雪の言葉に冬馬と準は何時もの様に呆れ気味だったが、英雄は小雪の言葉を受けて、何かを考え始めた。
士郎がそれに気づく。
「如何した?英雄」
「ふむ。あずみよ」
「ハ、ハイ。何でありましょうか?」
「あずみの事については我も日頃から考えていた事だが、そこでだ。我自らあ〜んしてやろう!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(バタッ)」
『!?』
あずみは、突如として目の前に迫って来たあまりの幸福感に当
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