SIDESTORY「ラルフ・ヴィンセクト」&外伝の資料設定
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はパリのエリア7だよ?」
彼女は、ラルフが来てくれる前提で喜んでくれた。しかし、ラルフは相変わらず無表情である。
「私! 先に行って待ってるね?」
とまで言って、彼女は早々に家を出て転送ルームへ走って行った。
「……」
そんな彼女をラルフはため息で見送る。
「あら、さっきシャルロットが喜んで外へ飛び出していったけど、何かあったの?」
と、ジェーンがエプロンをはずして微笑んできた。
「さぁ……」
と、ラルフは返す。ちなみに、ジェーンがシャルロットに映画のチケットを渡したのは言うまでもない……
「でも……大丈夫かしら? 一人で行ったりして?」
「え?」
「だって……昨日、不審者が襲い掛かってきたんでしょ?」
「どうせ、もう警察に逮捕されてるさ? 指紋も検出されたって聞くし……」
「そう? でも、不安だわ?」
「まさか……」
ラルフは、席から立ちあがると、いつものように要塞居住地にある公園へ向かって行った。
数時間後、シャルロットは映画館の前でラルフを待ち続けた。しかし、一向に彼は現れない。やはり、彼は来てくれないのかと半ば諦めかけていた。
――ラルフさん、遅いなぁ〜?
チケットを懐に入れてくれたが、しかし彼が「考えておく」とだけ言っただけで、完全に行くと言ったわけではなかった。
「……」
しかし、上映時間ギリギリになっても彼は来てくれなかった。そして、自分は改めて嫌われているのだと思い知らされたのである。
こうしていると、実に惨めに思い今にも泣きそうになった。しかし、そんな彼女の背後をある男が呼びかけてくる。
「シャルロット・ヴィンセクトさんでいらっしゃいますね?」
振り返ると、そこにはサングラスをした黒いスーツの男が一人立っていた。
「あ、はい……」
「リベリオンズの者です。実はラルフ筆頭から伝言を預かっておりまして、とりあえず御同行を願います……」
「ラルフさんから?」
「重要なお知らせがあるため、直ぐに会いたいと……」
「わ、わかりました!」
シャルロットは、すぐにも返答してこの使者と共に黒い車へ乗った。
「あ、あの……ラルフさんに重要な任務でも入ったんですか?」
車で移動する最中、彼女はその使者に尋ねた。
「詳しいことは聞かされておりませんが、何やら筆頭は重要な事を伝えたいと仰っておられました」
「……」
何だろうと、シャルロットはこのリベリオンズの使者と共にある場所へと向かった。
しかし、そこはある廃病院であった。こんなところでラルフと待ち合わせるなんていくらなんでも違和感を持った。
「あの……本当に、ここで何ですか?」
「ええ……そうですとも、ここがお前の死に場所だ!」
すると、黒スーツの男はサングラスを捨てて、己の姿を彼女に見せた。
「あ、あなたは……」
シャルロ
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