暁 〜小説投稿サイト〜
RSリベリオン・セイヴァ―
SIDESTORY「ラルフ・ヴィンセクト」&外伝の資料設定
[6/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
り出向いてみるか?
「……あ、ラルフさん?」
「……?」
すると、彼の元へ元気よく駆け寄ってくるシャルロットの姿が見えた。
「何の用だよ?」
ラルフは、ぶっきら棒に言う。
「その……ラルフさんと、お話がしたくて」
「僕は君と話したくはない」
「でも! これから私もラルフさんのところでお世話になることですし、その……家族というか……」
「家族だぁ……?」
突然立ち上がったラルフ。シャルロットのその一言が、彼の堪忍袋の緒を破裂寸前にさせた。
「僕は、ISの女であるお前を家族として認めたやったつもりはない! それ以前に、平然と男装して学園に潜入し、それどころか、その薄汚い手で僕のランスロットを盗んだ。そんな女を家族と呼べるのか?」
「……じゃあ、どうして弥生さんには親切にするの?」
シャルロットは、気になる別の問を彼に投げた。
「……」
しかし、ラルフはそれに返す言葉が途端に浮かんでこなかった。
「ジェーンお母様にも優しいじゃないですか?」
「うるさい!」
と、ラルフはシャルルロットの胸倉をつかんだ。
「じゃあ聞くが、そういうお前も何で『代表候補生』にまで上り詰めたんだ? それは、お前の心のどこかにISによって生まれる地位と名誉を求める欲があったからだろ?」
「ちがうよ!? ISの適性が強いからって、無理やり……従わなかったら……」
「どちらにせよ、僕はお前を許すことはできない……」
そう言ってラルフは彼女から背を向けようとした……が。
「……?」
ふと、落ち込むシャルロットの背後から黒いスーツを着た謎の大男が歩み寄ってきた。そして、男はラルフの視線に気付くと、すぐさま懐からナイフを取り出してシャルロットの背を襲おうとした。
「……あぶね!?」
刹那。ラルフは反射的に彼女の背へ片腕を伸ばし、その腕が彼女を襲う男のナイフへ突き刺さって彼女の楯となった。
「っ!?」
ラルフは、思っても居なかったありえない行動に出てしまったとハッとする。
「チッ……!」
大男は、邪魔が入ったとすぐにその場から逃げ去った。
後から周囲から悲鳴が聞こえ、一時騒ぎになり、しばらくすると警察が駆けつけもくる。
「ラルフさん……その、大丈夫?」
「……」
しかし、ラルフはいつまでも指された腕を見つめながら、面倒になる前にとっととその場から立ち去った。

その夜、ラルフは包帯を巻いた片腕を見つめながら、ただジッとベッドに座り続けていた。
「……」
――何故、俺はあのときアレを……シャルロットを庇ったんだ? あんな奴、いつもの俺なら見殺しにすることぐらい平気でやれた。だが、何故か体が勝手に動いてしまった……
自分でも理解できなかった。しかし、唯一確かなのはシャルロットが嘗ての自分と重なってしまうという認めたくない推測である
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ