SIDESTORY「ラルフ・ヴィンセクト」&外伝の資料設定
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追い出してやる! そんな野望を抱きながら、彼女と生活を共にすることになったのだ……
*
――どうやったら、あのビッチを追いだすことができる……?
あの福音事件も無事に解決し、夏休みに入ったシャルロットは、ラルフの自宅へ戻ってきた。この夏休みの間、新たな両親ともいえるアランとジェーンのために家事を手伝いにきたのだ。
台所でジェーンと共に鼻歌を口ずさみながらエプロン越しに料理を手伝っているシャルロットを食卓から振り向くラルフ。
「何だ? ラルフ、シャルロットのことが気になるのか?」
と、アランが尋ねる。
「別に……」
不機嫌に答えるラルフ。
――やれやれ、まだISの女性を憎んでいるのか?
アランは彼が装着者へ志願することを聞いたときから、ISと女性へ憎しみを持っていることを薄々感じていた。
「おじ様、ラルフさん、御朝食が出来上がりました!」
シャルロットが、ジェーンと共にニコニコと食事を運んでくる。
「おう! 良い匂いだ……しかし、いい加減私らのことは『お父さん』、『お母さん』と呼んでくれても構わんよ? むしろ、そう呼んでおくれ?」
「え、でも……」
二人の優しい老夫婦がここまで尽くしてくれるから、彼女も遠慮してしまう。
「今は無理に言わせないでもいいんじゃないか? 時期に彼女が自然に呼ぶようになるよ?」
と、適当な口調でラルフが言う。
「これ、ラルフ……気にせんでおくれ? 彼はいつもこうだから……」
「は、はい……」
しかし、シャルロットはそんなラルフが気にかかり、彼の表情をそっと覗いた。
「……!」
しかし、ラルフはフンとそっぷを向く。
――やっぱり私、嫌われてるのかな……?
苦笑いを浮かべる彼女は、ジェーンの隣に座って朝食を取った。
その後、ラルフはアランと共に司令部へ向かった。ちなみに、シャルロットが来た彼らの自宅もまた本部にある。これでも彼女はリベリオンズの人間として暮らしているのだ。
「珍しいじゃないか? ラルフ。 お前が、私と共に職場へ顔を出すなんて?」
本来、リベリオンズは任務が来なければ大抵自宅で待機している。
「それよりも指令、転属書類はどこにあります?」
「転属書類? 何だ、どうするつもりだね?」
「ちょっと気になった場所がありまして……」
「ほほう……?」
と、アランはラルフをニヤニヤしながら宥めた。
「な、何ですか……?」
「君の転属は私が決めることだ。よって、書類は全て私の手元にある」
と、アランは意地悪そうに彼に書類の束を見せた。
「あ……」
いかにもラルフは欲しそうな顔をしているが、それを彼には渡さずに……全てシュレッターへかけてしまった。
「あ、あぁ……!」
ラルフが駆け寄るも既に書類は紙くずになっていた。
「その書類で何をしようとしたかは大抵予想が
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